チケットは数秒で完売してしまったと聞くし、洸くんと寧音ちゃんによると、業界の偉い人もかなり多く来ているそうだし…。
うう…。
それなのに、こんな一般人のわたしが、主役なんか演じて大丈夫なのかなぁ…。
どうしよう…今更緊張してきたよ…。
ヘンな失敗なんかしたら、みんなに恥をかかせてしまうし…
それに、
彪斗くんの久々の演技に、泥をぬってしまう…。
けど…。
のまれないぞ…。
この役をやりたいって言ったのは自分。
一生懸命この日のために練習してきたし、
みんなにもたくさん助けてもらった。
それに、
見てほしいの。
彪斗くんに。
彪斗くんのおかげで、わたしここまでできるように変われたんだよ、
って
証明したいの。
彪斗くんは、きっと来てくれる。
だからわたしも
自分を信じて、がんばる。
開演を告げるブザーが鳴った。
ステージや観客席が一気に真っ暗になって、アナウンスが入る。
―――これより「シンデレラ」を開演いたします。―――
ステージに煌々と照明が点いた。
緞帳がゆっくりと上がる。
ついにわたしは、
運命の初ステージを踏んだ。
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