俺様生徒会長に鳴かされて。

けど、思わぬ事態がわたしを待ち受けていた。



「彪斗くん…!」



彪斗くんは、さっきいた部屋にはいなかった。





部屋に戻ったのかな、と思ったけど、いなかった。





そのあとも捜したけど、寮のどこにも、いなかった。

夕食にも、戻って来なかった。

そして、翌朝の学校にも―――。





それから、学校祭当日までの一週間、

彪斗くんに一度も会うことができず、

わたしは、本番の日をむかえてしまった…。








いよいよ学校祭当日がやってきた…。





彪斗くんは朝になってもやっぱり姿を現さなかった。



「彪斗のヤロー、いったいなーにやってんだ?」



苛立たしげに言った洸さんを、寧音ちゃんが大きな目でにらんだ。



「大丈夫だよ!

彪斗は来るよ…絶対…」



けど、その声もいつもよりも沈んでいた…。





『どうしても断れない仕事をしなきゃならなくなった。

しばらく戻らない』





寧音ちゃんが心配して電話やメールを彪斗くんに送りまくった結果、

いなくなった翌日の夜遅くに返って来たのが、この簡素なメール一通だった。



『しばらく、っていつ?』

『今どこにいるの?』



そんな質問をその後も何度もしたけれど、それからはまったく返ってこなかった。

電源を切っているみたいだった…。





「…まぁ、あの彪斗と言えども、仕事の世界となると力関係には気を使わないといけないから、

こういう事態になることって、けっこうある方なんだけど…

それにしてもアクセス悪すぎだよ…。

なんか、避けられてるみたいじゃん…」



寧音ちゃんの深長な言葉に、ぎくりとなる。



寧音ちゃんの勘、半分くらいは当たってるかも…。





彪斗くんはきっと、

わたしに会いたくないんだ…。





きっと、お仕事は本当なんだと思う。

玲奈さんに連れてかれる直前に彪斗くんにかかってきた電話、

あれがきっと依頼の要件だったんだ。



本当は、断ろうと思っていたのかもしれない。

でも、わたしがあんなふうに拒絶してしまったから、

『意地悪』なんて言ってしまったから、怒って…



彪斗くん…。



戻って、くるよね…?



お願い、戻ってきて。



わたし、あなたに伝えたいことがあるの…。