初めてのキス、だった。
もう頭の中がぐちゃぐちゃで
なんにも冷静に考えられなかった。
彪斗くんは追いかけてこなかった。
わたしは、捨てられた動物のように心細い気持ちになりながら、
泣きべそをかいて、ふらふらと庭に出た。
夕焼け空が湖面に映って、あたりは朱色一面に染まっていた。
長い影を引き連れながら、とぼとぼと歩いていく。
キスを夢に見てた。
彪斗くんとのキスを…。
パークに行ったあの日、わたしは新たな自分に気づいてしまった。
彪斗くんが好き…
彪斗くんと…キスしたい…
って望んだ、自分に。
望みは、叶った…。
けど、想像していたものとは、ぜんぜんちがっていた…。
だって、あんな…
あんな、意地悪なキス…
思い出すと、恐怖と困惑で身体が熱くなってしまう。
唇には、まだありありと感触が残っている。
彪斗くんの唇や舌から熱や甘さが流れ込んできて、わたしを中から溶かしていくような気がする。
あんな虐めるようなキス、してほしくなかった…。
どんなに勝手でも、乱暴でも、いつもやさしかった彪斗くん。
もう、解からなくなっちゃったよ。
本当の彪斗くんはどこ?
こんなに…
わたし、こんなに…
彪斗くんのこと…
「おっと…」
下を向いて歩いていたら不意に、ばふっ、となにかに包まれた。
「ご、ごめんなさい…!」
びしょびしょに濡れた泣き顔なのも忘れて見上げて、わたしは目を丸くした。
「どうしたの、初めてあった時みたいに下向いて。
自信、なくしちゃった?」
「雪矢さん」
もう頭の中がぐちゃぐちゃで
なんにも冷静に考えられなかった。
彪斗くんは追いかけてこなかった。
わたしは、捨てられた動物のように心細い気持ちになりながら、
泣きべそをかいて、ふらふらと庭に出た。
夕焼け空が湖面に映って、あたりは朱色一面に染まっていた。
長い影を引き連れながら、とぼとぼと歩いていく。
キスを夢に見てた。
彪斗くんとのキスを…。
パークに行ったあの日、わたしは新たな自分に気づいてしまった。
彪斗くんが好き…
彪斗くんと…キスしたい…
って望んだ、自分に。
望みは、叶った…。
けど、想像していたものとは、ぜんぜんちがっていた…。
だって、あんな…
あんな、意地悪なキス…
思い出すと、恐怖と困惑で身体が熱くなってしまう。
唇には、まだありありと感触が残っている。
彪斗くんの唇や舌から熱や甘さが流れ込んできて、わたしを中から溶かしていくような気がする。
あんな虐めるようなキス、してほしくなかった…。
どんなに勝手でも、乱暴でも、いつもやさしかった彪斗くん。
もう、解からなくなっちゃったよ。
本当の彪斗くんはどこ?
こんなに…
わたし、こんなに…
彪斗くんのこと…
「おっと…」
下を向いて歩いていたら不意に、ばふっ、となにかに包まれた。
「ご、ごめんなさい…!」
びしょびしょに濡れた泣き顔なのも忘れて見上げて、わたしは目を丸くした。
「どうしたの、初めてあった時みたいに下向いて。
自信、なくしちゃった?」
「雪矢さん」



