俺様生徒会長に鳴かされて。




「ごめんな…。

俺のせいで、つらい思いさせて」


「彪斗くん…」


「俺は…きっと今、ツケがまわってるんだ。

面白くない毎日にうんざりして自棄っぱちに過ごして、いい加減な恋愛しかしてこなかったツケが、さ」



どんなことをしても、きちんと払うつもりではいる。

けど、



その代償が、優羽に行っちまうのは、がまんならねぇ。



優羽が傷つくのは、自分が傷つくよりもつらいことだから。





「おまえにとって、玲奈のことはまったくいわれのない、降りかかった火の粉なのに、

守ってやれなくて、ほんとに、ごめんな…。

…頬を叩かれて…その後もひどいことされたのか?」


「ううん…。

ちょうど通りかかった雪矢さんが助けてくれたの」


「……」





ここで雪矢、か…。





勘弁してくれよ、優羽…。



ここで雪矢を出されるのは、はっきり言って



すげー、しんどい。





「っそ。雪矢がね。

それはナイスタイミングだ。

あとで礼でも言っとかなきゃな」



優羽はちょっと苦笑した。



「彪斗くんったら保護者みたいなこと言って…。

わたしがお礼言ったから、たぶん大丈夫だよ」


「そ。

『助けてくださってありがとうございました、王子さま』って?

…雪矢のヤツ、さぞかし満足だっただろうな」





なに言ってんだ、俺。



自棄になるなよ。



優羽に見苦しいところなんか、見せたくないんだから…!





けど、セーブがきかない…。





「それで?

そのあと、雪矢とどうしたんだ?

キスでもせまられたのか?」


「キス…!?

そ、そんな…!

そんなことしてないよっ…!」


「そ」



俺はふい、と踵を返すと、ボタンを外してシャツを寛げ始めた。



「どうしたの彪斗くん…。

…なに…怒ってるの…?」



「べつに。

怒ってなんかねぇよ。

てかさ、いい加減しゃべってねぇで練習やらね?

例の、一番の問題のヤツ」


「あ…」


「さっき歌ってドレスのもだいぶ慣れただろ。

コルセットも慣れると、背筋が伸びてちょうどいいんじゃね?」



対して俺はラフな格好になると、シャツを腕まくりしながら優羽に近づいた。



そして、ぐいっと腰を引き寄せる。



「さて始めるか。

おまえが大の苦手の、ダンスレッスン」



もう日数も無いし、今日は厳しくいくか…?



ニヤリ、と俺は冷淡に口端を歪めた。