長い長い五分だった。
結局、
待てなくて、
「おい優羽、着替え終わったか??」
四分四十五秒になった時点で扉をノックする。
「も、もう時間?
待って…まだ…!」
「早くしろよ」
「もうちょっと…!
もうほとんど着たんだけど…」
「まだー?」
「ファスナーが…っ」
ガチャ!
「きゃっ!」
…ぶっちゃけ、ちょっと、心配だったけど、
優羽は無事着替え終わっていて、すっかりドレスに包まれていた。
といっても、背中のファスナーを締めるのに悪戦苦闘しているヘンなポーズではあったが。
「もう…!彪斗くんのバカ!!
まだ、って言ったのに」
「もたついてるおまえが悪い。
背中締めれないのか?」
「もうちょっとなんだけど…。
わたしあまり身体がやわらかくなくて…」
「うーん!」と腕を伸ばして唸っている必死な顔を見るのもなんだかしのびなく、
俺は人差し指をくるっとまわして、溜息まじりに言った。
「後ろ向け。
俺が締めてやる」
「え…!そんな…い」
「あーめんどくせぇ!
早く向けよ」
と、優羽の肩をつかんでくるりと反転させると、
ファスナーはあと十センチほど、というところでぱっくり割れていた。
不覚にも、ドキリとなる。
うなじから背中にかけて見える、ベリー色とミルク色の肌との対比が、ヤバかった。
女のうなじなんて、見飽きて今更なにも感じないと思ってたけど、やっぱり優羽は別だな…。
清らかさの象徴のような白肌が、胸をドキドキと騒がせやがる…。
くそ。
ほんと呆れちまうな。
さっきから、パニックになったりイラついたりドキドキさせられたり…
翻弄されてばっかりだ…。



