するり、と頬を包む手がすべり落ちる…。
「君は、彪斗の話をすると、いつもそうやって笑うんだね…」
やさしい微笑…。
まるで、泣き笑っているように見えるのは、どうしてだろう…。
「ほんとに…可愛いね。
外見だけじゃなくて、
そんな、無自覚な小悪魔なところも…」
声は、しだいに囁き声になって、
小さくなって、
最後に、
どうして…俺じゃだめなのかな…。
そんな風に聞こえた気がした…。
どうしてそんな悲しい顔をしているんだろう…。
胸に鈍く痛みを覚えるわたしに、
雪矢さんがゆっくりと近づいて、わたしを影の中に閉じ込めた。
かと思うと。
ほんのりと、ぬくもりと、柔らかさを感じた。
額に。
わたしのおでこにそっとキスをした雪矢さんが、
顔を上げた途端、
その亜麻色の髪の隙間に、人影を見た。
どうしてだろう。
わたしはその人の姿を見た瞬間、
息を止めてしまった。
悪いことをしてしまった、子どものように…。
「優羽」
そこには、彪斗くんがいた。



