息を殺していたわたしの胸が、チクリと高鳴った。
「あーさっきいたよね!すんごいダサいメガネかけたブス子!」
「なんであんなの連れてんだろうね?
…あっは、もしかしてブス専だったりして」
「うわひくっ!
え、てか、そーなら、あたしにもチャンスありってこと!?」
「あははは!
ヤだーそれチョー自虐―っ!」
けらけら、と笑い声が聞こえる。
けど
不意に声がぴたっととまった。
「おい優羽。
なにそんなところに隠れてんだよ」
いつの間にか、ソフトクリームを両手に持った彪斗くんがそばに立っていた。
うわ、彪斗くん…!
おねーさんたちの前を堂々と通り過ぎて来たの…?
というか…
今ばっかりは話しかけないで欲しかったな…。
おねーさんたちは、露骨に気まずそうな表情を浮かべて、そそくさと行ってしまった。
ああもう…穴があったら入りたい…。
「ここじゃ座れないから、行くぞ、優羽」
「ん…」
でも、急に怖くなって、わたしは影から出て行けなくなってしまった。
だめだよ、彪斗くん…。
わたしなんかと一緒にいたら、
彪斗くんに恥かかせ―――
「早く来い、優羽。
ソフトクリームが溶けちまうだろ」
有無を言わさぬ強い口調に、わたしはしぶしぶソフトクリームを受け取って陰から出た。
それから少し距離をおいて、彪斗くんのあとをついていく…。



