「だいじょうぶか?優羽。
ちょっと休んでろ。
なんか冷たいものでも買ってくるか?」
「ん…」
「じゃ、ちょっと座って待ってろ」
と、売店へ歩いていく彪斗くん。
言いつけどおり座ろうとしたけど、あたりは人で一杯だった。
しばらく探し回っても見つからないので、仕方なく、わたしは建物の陰に入って、ひんやりするつるつるの丸太の壁に背を預けた。
するとソフトクリームを持った大学生風のお姉さんたちが、しゃべりながら歩いてきた。
「ね、さっき売店にいたメガネの男の子、
すーっごくかっこよくなかった?」
「わかる!
黒髪のコでしょ!
なんだろ、雰囲気が、ちょっとちがうよね!」
彪斗くんのこと、かな…。
わたしは隠れるように、さらに陰によった。
「てかなーんか見たことある気がするんだよねー…。
この前雑誌で…そう海外デザイナーのショーの特集でだ」
「あーあんたがいつも買ってる海外ブランド系雑誌?」
「そう。
んー…確か名前があったはず…。
日本人なのになにこのコ!?って思ったから覚えてたんだけど…」
ほんの五分くらい出ただけ、って言ってたのに、
そこまで乗ってたなんてすごいな…彪斗くん…。
「そこまで、出かかってるんだけど、思い出せないなぁああ!」
「えーでもさぁ、ショーに出るようなモデルだとしても…
なんであんな地味子と一緒にいたわけ?」
どき。



