俺様生徒会長に鳴かされて。

彪斗くんと雪矢さん…。



いつも仲が悪いふたりに囲まれ、

今わたしのまわりの空気は、

ピリリと、冷たく凍りついていた…。



わたしも、寧音ちゃんの迎えの車に乗って、帰ればよかった…。





「ね、優羽ちゃん。

この後行きたいところがあるんだけど、一緒に行かない?」



そんな気まずい沈黙を最初に破ったのは、

敵意むきだしの彪斗くんとは対称的な、落ち着きはらった雪矢さんだった。





「…お店、ですか?」


「そ。美味しいデザートが自慢のカフェ。

しかもイチゴパフェが一番人気なんだ。

イチゴ好きだったでしょ」



「わぁ、行ってみたいです。

彪斗くん、行こうよ」


「いや、彪斗はいかないよ。

行くのは二人。

俺と優羽ちゃん」


「え…」



…と、雪矢さんの手が伸びてきて、わたしの頬を包んだ…。

綺麗な顔がすぐそばまで近づいてきて、甘い声で囁く…。