数分歩いたら湖が見えて、湖畔についた。
湖を囲うように、レストランや土産物屋が入ったログハウス風の建物が多く並んでいる。
どれも建物の半分が湖にせり出すような状態で作られ、
湖上に伸びたテラスとテラスの間にも橋が架かり、身近に湖を感じながら移動できるようになっている。
あちこちに露店や軽食の出店があるのも、映画で出てくる海上町のような感じがして楽しかった。
『まずはボートでしょ』と、俺たちはさっそくカヌーの乗船場に向かった。
自分達で自由に乗ることもできたけど、ゆったりできるガイドつきのコースを選んで、五人で乗船した。
湖の水は透き通っていて綺麗で、時折魚まで見かけるほどで、俺たちはガキみたいにはしゃいだ。
寧音や洸も仕事でいろんな場所に行くが、ここは本当に奇麗な湖だと改めて感激している。
写真を撮りあったり景色を眺めたりして満足すると、あとはゆったりと湖上の心地よさを楽しんだ。
そうこうしているうちに、カヌーは岸にたどり着いた。
ここから下りて、森奥にある滝を見に行くことになっている。
ほんの数分歩いたところでついた滝は、イメージするほど大きくも激しくもなかったけど、
それだけにすぐそばまで近付いて、手を触れることができた。
小さくてもやっぱり滝と言うだけあって、水飛沫や吹き抜ける風が清々しい。
そしてなにより、水がキンとするくらい冷たい。
「彪斗くん、水がすっごく冷たいよ」
優羽が手で落ちる水を受けながらはしゃいだ声で言った。
俺もそばによって水をすくう。
「ほんと、冷たいよな。
ほらっ」
「きゃ」
ちょっとからかうつもりで水をすくい投げたんだけど、思ったより量が多かった。
優羽の顔に思いっきりかかってしまい、服まで濡らしてしまった。



