俺様生徒会長に鳴かされて。

そんなこんなで数日がたち、いよいよ五人でパークに出かける日になった。



天気は快晴。

抜群の行楽日和だ。



まだ人が少ないオープン間際をめがけて、松川さんが車で送ってくれた。



「みなさん、今日ばかりはお仕事のことは忘れて、ゆっくり楽しんできてくださいね」



『はーい!』



俺たち全員で出かけるということは、松川さんにも余暇が生まれるということだ。



いつも細やかに面倒みてくれてるから、松川さんこそゆっくり休んでほしいもんだ。



なんて思いながら、俺たちはパークに入場した。



湖に近づくまでは、舗装された森の中を歩くことになっている。



森の真ん中をくりぬいたように作られているため、まるで森林のトンネルの中を行くようだ。



近くに川があるのか、森の間を吹き抜けるそよ風と一緒にせせらぎも聞こえてきて、抜群のマイナスイオン効果だ。



他にも何組かの家族連れやカップルを見かけるが、誰も俺たちが芸能人だとは気づいてもいない。



普段から機械やコンクリートに囲まれた暮らしをしていて、学校に戻ったとしても、常に誰かかしらから視線をあびている俺たち。



ただ湖に向かっているだけなのに、すでに解放感と癒しを感じる。



心なしかみんなの表情も普段より柔らかくなっている気がした。