「無防備に歌ってるからだよ、ばか」
恥ずかしくて、真っ赤になりながらすがった。
「お、ねがい、消して…」
「やだね。んなもったいねぇこと。
―――正直、おまえの声には俺も驚いた。小鳥が寄ってくるわけだよな。
だましてでもおまえをここに連れてきたくなるのも、うなづけた。
もし、この動画をネットに流せば…おそらくおまえ、今までの平凡な日常を失うぞ。
おまえにはそれだけの才能がある」
「……冗談やめてください」
「俺の言うこと信じない?あそう?じゃ、今から流しちゃおうかなー。
『校舎の庭でノー天気にさえずってたバカ女がいました』ってタイトルで」
「や、だめ…」
「いやなの?」
「はい…」
「じゃ、俺のものになれよ」
そんな…。
ひどい…。



