強引に引き寄せられて、メガネの無い目にもそうとわかるくらい、あの綺麗で意地悪そうな顔が近づいてきた。
「もう逃がさねぇぞ、小鳥」
ニッと自信に満ちて笑う顔は、まるで野生の猫みたいにギラギラしてて…。
朝の強引にされたこととか、乱暴な口調で言われたこととかも思い出してしまって、
わたしは震えてしまう…。
そんなわたしに、彪斗くんがさっと手を伸ばしてきた。
びくりと思わず強張った頬に触れて、ゆっくりとわたしの髪を撫で上げる。
「髪下ろしたのか。
…あーくそ、反則多すぎなんだよ、おまえ…」
言い方は乱暴だけど、しきりに髪を撫でる手はやさしかった。
そんな真逆さが余計にこわくて、わたしはいつまでも震えたままでいる。
「なに震えてんだよ。俺がこわいのか」
「……」
「俺はこわくねぇよ」
って、またニッと笑ったけど。
やっぱりこわいよ…。その笑い。
カッコいいから余計に…。
狂暴そうなヤマネコみたいなんだもの…。



