東京から電車とバスを乗り継いで三時間。 青々とした森を抜けたバスが最後に停まったのは、大きな湖を背に広がる爽やかな高原だった。 バスから降りて、湖からの涼しい風に吹かれたわたしは、大きく息を吸った。 うーん、きもちいい。 目的の場所までは、歩いてあともう少し。 ショルダーバックを掛け直して、小さなキャリーバックの持ち手をシャキンと伸ばすと、わたしは緩やかに蛇行を描く坂道を登っていった。 ※