星月夜


瞬と付き合い初めて数年が過ぎ私は大学3年になった


その年の夏

既に大学を卒業し就職していた瞬とは忙しくてなかなか会えずにいた



でも、この日だけは‥
この日だけは特別だった


私の為に忙しい中休みを取ってくれた瞬


「ねぇ、瞬!今日の約束覚えてる?」


『覚えてるよ、七瀬が大学終わる時間にちゃんと迎えに行くから』


何度も念を押す私に電話の向こうで瞬がクスクス笑ってるのが聞こえた


「絶対だよ!」


それでも懲りずに私は瞬に念を押した


『はい、はい。じゃぁちゃんと勉強しろよ?』


遅刻するぞ、と言われ私は渋々電話を切ったけどニヤける顔はいつまでも収まらなかった


その日は一日中大学の友達に気持ち悪いと言われながら過ごした



でも、最高潮にご機嫌な私はそんな事お構いなし



この後待ってるであろう幸せな時間を思い浮かべると顔はどう抑えても緩んでしまう