「滝沢先輩は……私を、恨んでないの?」


顔に当てたタオルを少しずらして滝沢先輩の様子を伺う


滝沢先輩は目を見開いて驚いた表情をしていたけど、直ぐに顔を傾ける


「恨むって…何でだよ」


そう言って滝沢先輩は不機嫌な顔を見せた


「だって私が居なければ、先輩は夢を諦める事なかった。夢を追うことが出来たのに……」


今度は小さくため息を吐き出し髪に添えてた頭をゆっくり動かした



「言っただろ?カメラよりお前が大事だったって。それに後悔もしてない。そのお陰で今こうしてお前の傍に居れるんだから」



滝沢先輩は眩し過ぎて……瞬の星が霞んでしまう



いつも私の傍に居てたくさんの優しさをくれた滝沢先輩



いつしか滝沢先輩の隣は居心地の良いものになっていた


けど私は


私は………




「少し…だけ…時間を下さい」