「あぁ、如月ならそこだがどうかしたのか?」

 紗耶香先生がそう言うと、転校生は私の前までやって来た。

 「キャー。なんで会長の所に行くの?」

 はぁ、まただ。また、女子の悲鳴。てゆうか、なんで私の所に来るのかしら?

 「えりちゃん、僕の事覚えてる?」

 そう言い、彼はニコッと笑った。

 あっ、思い出したわ。なんで見覚えがあったのか!!

 「もしかして、ゆうちゃんなの?」

 「良かった。僕の事覚えててくれて。」

 「なんだ、如月と霜月は知り合いだったのか。じゃあ、霜月の席は、

  如月の所だな。」

 「今日から、またよろしくね。えりちゃん!!」

 「えー。さやちゃん先生、なんでー?」

 「私、これからどうなっちゃうのかしら?」

 その余りにも小さすぎる声は、女子達の悲鳴でかき消された。