「ふぅ。」

 やっと始業式が終わった。

 「お疲れ様。絵里香会長。」

 「ありがとう。冬樹君。」

 彼は、副会長の水無月冬樹。いつも私を支えてくれて、女子にもモテる。

私は基本、男子生徒と仲良くなんてしない。けど、彼とは仲がいい方だと思う。

 「ところで、そろそろ行かなくて良いんですか?」

 と言い、彼は時計を指差す。

 「え?嘘、もうこんな時間なの!!」

 時計を見てみると、時計の針は授業が始まる時間をさしていた。

 「ごめんなさい。私そろそろ教室に行くわ。」

 「はい。分かりました!」

 そうして私は、冬樹君と別れ教室へ向かった。

 「はぁ、ギリギリ間に合ったわ。」

 ドアの向こう側から歌が聞こえる。

 なぜそのドアの前にいるのかというと、私は[音楽科]の生徒だから。

 「私の夢、本当に叶うのかしら?」

 私は、小さいころからずっと叶えたい夢があった。それが[歌手]だった。

ガラッ

 
 ~そして今、新しい物語が始まろうとしていた。~