clover*




「あの時は気持ちに余裕がなくて
洸と同じ高校に通いたくて自分の気持ちばかり
洸に押し付けて洸の気持ちも考えてなかった。
洸は高校が違っても関係は変わらないって
言ってくれたのに・・・私は自信なかった。」

「小さい頃から、ずっと一緒で
離れる事なんて考えた事もなかったから
別々の高校に行ったら洸の気持ちが
離れるんじゃないかって怖かった・・・。
いくら男子校だってそんなの関係ない!
洸はモテるから誰にも渡したくないから。
毎日そんな事で悩むのが耐えられないって
思ったから・・・だから別れを選んでしまった。」

「けど別れて後悔した。卒業して
高校に入って洸が側に居ない事が
こんなにも辛いんだって凄く思ったの。
別々の高校に通って付き合う方がどれだけ
幸せなんだろう?って。
結局、辛い思いをしただけだった。
改めて私は洸が好きなんだと知った。」


「事故の日、私は洸に告白する為に
洸に会いに行ったの。
そしたら洸が事故に遭ってしまった。
あの時、必死に洸が私を守ってくれて
正直あの瞬間は凄く嬉しかった。」


「けど洸が事故に遭って
私は自分のせいだと思った。
私が洸に会いに行かなければ
洸は事故に遭わなかったかもしれないって。」


「それは違います!
愛菜さんのせいではないです!」

紗智は思わず、そう叫んでいた・・・

「・・・・・。」

愛菜は驚いた表情で紗智を見た

「すみません・・・!」

紗智は愛菜に謝った

「・・・洸も、そう言ってくれた。」

愛菜は、そう呟いた

そして愛菜は話し続けた

「けど私は洸が怪我して入院して
気持ちを伝える事が出来なかった・・・。
ただ洸の側に居て支えたいって思った。
それから私は毎日、洸に会いに行った。
最初の頃は洸に拒絶されたけど
私は諦めなかった。
もう二度と後悔したくなかったし
洸を失いたくなかったから。」

「・・・・・。」

「この半年間、私はずっと洸の側に居た。
洸もやっと私に心を開いてくれた。
また昔みたいな関係になれるかもって
また洸とやり直せるかもって思った。
・・・けど急に洸や私の目の前にあなたが現れた。」

愛菜は、そう言うと紗智を見た

「・・・!」

紗智は愛菜の自分を見る目が凄く怖く感じた


「どうして私の邪魔をするの?
私は、この半年間ずっと洸の側に居たの。
洸が辛い時、支えたのは私なの!
今更、何?!あなたは洸が好きなの?!」

愛菜の質問に紗智はー・・・


「私は!・・・私はー・・・。」

紗智は答えられなかった

「答えられないの?
なら洸とは二度と会わないで。
好きじゃないなら、もう洸とは関わらないで。」

「そんなっ・・・勝手な事・・・!」

「じゃあー何?
あなたは洸に何が出来るの?!
この半年間、何も知らなかったくせに
今更、何が出来るって言うの?」


「それはー・・・」

紗智は黙ってしまった

そんな紗智に対して愛菜は


「・・・もう話す事はない。
もう二度と洸とは会わないで。」

愛菜は、そう言うと席を立ち

「お金は私が払うから。
私が話があるって言ったから。」

愛菜はテーブルにお金を置き
その場を離れ店を出て行ったー・・・


紗智は何も言えなかった


愛菜の洸に対する気持ちを知り


愛菜が洸を本気で好きなんだと分かり


紗智は、ただ黙って聞いてるだけだった


紗智は思った


あの人の気持ちが痛いほど分かるから


それは同じ人を好きになったから


人を好きになって傷ついても

辛くても諦められなくて


好きな人に自分を好きになってほしいと


思う気持ちは一緒だからー・・・



けど私は、あの人みたいに


洸に対する気持ちは

どれくらい大きくて強いものなんだろ?


あの人の洸に対する気持ちは本物だし


強くて大きいものを感じた


それは私が想像するよりも

はるかに大きいものかもしれない


そして洸と、あの人の関係が

どれだけ深いものか

改めて知り胸が苦しくなったー・・・


「・・・・・。」

紗智の目から涙が溢れた


かなわない気がした


「洸が好き」


たった、その一言が言えなかった


紗智は愛菜と洸の関係が


話を聞いて自分が思ってたよりも


更に深いものだと感じ自身を失ったー・・・



紗智は、このまま洸を諦めてしまうんだろうか?