帰り道ー。

「あー食い過ぎたー。」

「私も、お腹いっぱい♪てか、もう夜だね!」

実と葉月が先を歩いて話している

その後ろで紗智と洸は無言で歩いていた

紗智は隣に居る洸の横顔をチラッと見たー。

「……………。」

洸は真っ直ぐに前を向いていた

二人には何とも言えない微妙な距離感があった

どこか緊張感があって、ぎこちなくて、
もどかしい、そんな距離感ー。

すると洸が

「俺、今日、来て良かったよ。」

「えっ?」

「みんなに会えて、色々、話したり騒いだり。
凄く楽しかった。久しぶりに、こんなに笑ったよ」

洸は、さっきまでの事を思い出しながら言った

「洸?」

紗智には、洸の顔が
どこか寂しそうな表情に見えたー。

「それに紗智に会えた。」

そう言うと洸は紗智の顔を見て笑ったー。

「……………。」

「おいっ!お前ら早く来いよ!」

「紗智!洸!」

ちょっと前で二人を呼ぶ実と葉月

「ごめん、ごめん。」

洸は、そう言うと、また紗智の方を見ると

「さっき言った事…覚えてる?」

洸が真剣な顔で紗智に言った

「さっき言った事?」

「…また、会えるかな?」

「……うん。」

紗智は頷きながら小さな声で言ったー。


「ほんと?良かったー」

洸が嬉しそうに歩いていく

その姿を見て紗智は勇気を振り絞って
こう言ったー。

「今日は、ありがとう!凄く楽しかったよ!
私も……洸に会えて……。良かった!」

その言葉を聞いた洸はニコッと笑って

「…じゃあーメアドと番号、教えて!」

「…うん!」


紗智は洸の隣を歩いたー。

さっきよりは距離が縮まったみたいだー。