clover*




洸の病室で
二人っきりになった紗智と洸

緊張で立ちすくむ紗智に

「とりあえず座って?」

洸が優しく話しかけた

「うん・・・。ありがとう。」

紗智は
洸のベットの前にあるイスに腰かけた

「二人で話すの久しぶりだね。」

「そうだね。」

「紗智、ごめん。」

「え?」

「半年前の事・・・。
傷付けて悪かった。本当にごめん。」

洸は、そう言うと頭を下げた

「洸!大丈夫だから顔を上げて?
もう謝らなくていいから。
洸は私達の為にしてくれたんでしょ?
洸の気持ち分かったから気にしないで?」


紗智が言うと

洸がゆっくり顔を上げて

「俺・・・ちゃんと紗智に謝りたかったんだ。」

「洸・・・。」

「俺さ、この半年間ずっと忘れてなかった。
実や葉月や・・・紗智の事。
正直みんなに会いたかったし話したかった。
みんなと出会っから半年間は
本当に楽しくて俺にとって大切な時間だった。」


「事故に遭ってから毎日、病院で一人で居て
家族以外、面会に来る人が居なくて
正直、辛かったし悲しかった。
何で俺ここに居るんだろう?
何で俺がこんな目にあうんだろうって。
毎日、毎日、思ってた。」

「けど紗智達と再会して嬉しかった。
あんな態度とったけど俺ほんとは嬉しかったんだ。
でも、どう接していいか分かんなくてさ。
凄い後悔したし最低だなって思って
もう紗智達と会えなくなるんだろうなって思った。」


「でも。こうして紗智達が会いに来てくれて
話してくれて、ほんとに嬉しいし
凄い楽しいし俺、幸せだなって思えた。」

「洸。」

「俺、紗智に会いたかった。ずっと。」

洸が真剣な顔で目で紗智に言った

紗智は、
そんな洸の目に吸い込まれるようだった

洸の真剣な顔に視線を逸らす事も出来ず

洸の言葉になんて言ったいいか分からず

ただ黙ってしまったー・・・


「ごめん。俺ばっか話しちゃって。
こんな事、言ったら紗智も困るよな?ごめん。」


洸は、そう言うと少し落ち込んだ表情になった


「私こそ、ごめん!洸が真剣に話してくれたのに
上手く答えられなくて。
気持ちを素直に一生懸命、伝えてくれてありがとう!」

「紗智・・・。」

「私も、ずっと洸に会いたかった!
会って話したい事や聞きたい事
伝えたい事があったから。」

「伝えたい事・・・?」

「わ・・・私!私ね?
私・・・洸が・・・洸の事・・・!」

紗智は自分の気持ちを抑えることが出来ず

つい本当の気持ちを伝えようとした

その時ー

「!」

紗智はハッと気づいた

今、自分は何を言いかけたのか?

「・・・・・。」

紗智は思わず口に手を当て黙った

「・・・紗智?どうした?大丈夫?」

洸が紗智の様子に心配そうに聞いた


「ごめん!何でもない!大丈夫!」

紗智が慌てて言いながら
ふと目を窓の外を見ると外は夕方になっていた

「あっ。もうこんな時間!
私そろそろ帰るね!」

紗智は、そう言うとイスから立ち
テーブルに置いてあるカバンを掴んだ

「うん・・・分かった。じゃあー気を付けて。」

洸が不思議そうな顔をしながら言った

「うん!ありがとう!じゃあー帰るね。
また三人で来るね。バイバイ。」

紗智は病室のドアに向かった

「じゃあね。」

洸が軽く手を振り言った

「じゃあね・・・。」

紗智も手を振り病室を出たー

洸は紗智が病室を出るのを見送り

「・・・・・。」

何か考えていたー


そして紗智は病室を出て混乱していた・・・


今、自分は洸に何を伝えようとしてたのか


伝えたい事・・・


それはー


「・・・私、洸に好きだって
言おうとしてたの・・・?」


紗智は、そう呟いたー