clover*



その頃、実はー


まだ病院に居た


実が向かった先は洸の所ではなく


「・・・親父。」


四宮病院の院長である父親の所だったー


院長室に居た父親を訪ねた


「実。何の用だ?
もしかして進路の事ちゃんと考えたのか?」

実の父は、そう言いながら実に近づく

「・・・洸って、いつから入院してんだよ?」

実は父親に洸について聞こうと思って訪ねた


「洸?・・・ああー・・・相馬洸君の事か?
お前、洸君の友達なのか?」

「なぁ、いつから入院してんだよ。」

「・・・教えるわけにはいかない。」

「何でだよ!俺らダチなんだよ。
あいつ怪我したって聞いたけど足だよな?
何で怪我したんだよ?!事故か?それとも・・・」

「だから言えない。」

「あいつ車イス、乗ってるけど歩けないのか?
まさか、ずっと?治るんだよな?なぁ!」


実は興奮した様子で父親の肩を
両手で強く掴んで揺らした

「だから言えないって言ってるだろ?!
いくら息子でも患者の病状を教えるわけにはいかない。」

「何でだよ!俺は知らないといけねぇんだ!
あいつがっ!・・・あいつが、ああなってしまったのは
きっと怪我が原因だから。あいつの力になりてぇーんだ。
じゃなきゃ俺も洸もこのままじゃダメになる・・・。
それに・・・それに。」

実は、黙ってしまったー

すると父親が冷静に実に言った

「友達なのに何も知らないのか?
友達に何があったか知らないのに友達って言えるのか?」

「・・・・・!」

「言わないって事は洸君は、
お前を友達とは思ってないからじゃないのか?」

「そんなことっ!」

「お前、この半年間、一度も見舞いに来てないじゃないか。」

「それはっ!知らなかったから・・・。」

「本当の友達だったら何とかして知れたはずだろ?
なのに、お前はしなかった。
お前が言う友達はその程度の関係だったんだよ。
自分の感情をただ相手にぶつけてるだけじゃ
友達とは言えないんだよ・・・。」

「・・・・・。」

「洸君の事は、そっとしといてやれ。」

「・・・・・。」

父親は部屋を出て行ってしまった


実は何も答えられなかったー

父親の言葉が当たってるかもしれない

そう思ったからだ・・・


実は本当は紗智の為に知りたかった


紗智の悲しむ顔を二度と見たくなかったから

半年前の紗智に戻ってほしくなかったから

洸の事を知って、また傷つくかもしれない

洸と紗智の距離が近づくかもしれない

それでも知りたいと思ったから


半年前、洸と連絡取れなくなって

紗智が傷つく姿を見て辛かったけど


それでも実は

このまま洸を忘れてほしいと思ってたー


実は小さい頃から

ずっと密かに紗智を想っていたー


ずっと紗智に言えないまま片想いしていた


でも洸と再会して洸の姿を見て


同情って思われるかもしれない


でも、それでも洸の力になりたい


洸に想いを寄せている紗智の為にも


でも二人の距離が近づくのも嫌だ


本当は両想いだった二人が
また距離が近づくのは嫌だし

紗智を洸に譲りたくないー


「・・・くそっ!」



実は恋と友情の間で苦しんでいたー