clover*


洸の病室の前に着くと

三人は緊張した顔で立ったー

「・・・開けるぞ。」

実が紗智と葉月に言った

「うん・・・。」

葉月が答えると紗智も頷いた

実がドアを開けようとするとー

中から声が聞こえた


「じゃあ、洸。また来るね。」

「ああ。じゃあな。」


誰かがドアに近づいてくる

三人は慌ててどこか隠れようとしたが

すぐにドアが開いたー

中から出てきたのは・・・


「あっ。」

紗智が思わず声を出した

「こないだの・・・」

実も続けて言った


中から出てきたのは

洸と再会した時に洸の隣に居た
愛菜だったー

愛菜は三人をチラチラ見て
無言のまま歩いて行った

「何あれ?!感じ悪っ!」

葉月がムッとした表情で言う

「・・・・・。」

紗智は何も言えなかった

あの子は洸とどんな関係なんだろう?

ただ、それだけが気になってしかたなかった

「・・・・・。」

実はドアを開けて洸の病室に入った

葉月、紗智も続けて入る


病室の中では洸が驚いた顔で三人を見た


「・・・・・!」

「洸、さっきの女は誰だよ?」

実が、いきなり質問した

「ちょっと・・・実!」

紗智が小さな声で実に言った

「そうだよ!誰?何か凄く感じ悪かったんだけど!」

葉月も洸とは再会したばっかなのに
いきなり失礼な発言をする

「葉月!・・・二人とも!
いきなり何、失礼な事言ってんの?!」

紗智は二人に呆れた顔して言った

「あっ・・・わりぃ。何かイラついてさ。」

「ごめん。私も少しムカついちゃって。」

実と葉月は少し冷静になったのか洸に謝った

「もう・・・。」

紗智はため息をついた


「別に・・・てか誰だか関係ない。」

洸は冷静に言うとテーブルにあった本を広げた

「何だよ、その態度。せっかく見舞いに来てやったのに。」

実が言うと

「頼んでない。」

洸は、そう言うと本に目を通し、読み始めた


「洸、久しぶり!さっきの女の子、誰?友達?」

葉月が聞くと

「・・・久しぶり。だから関係ないだろ。」

洸は葉月の質問にサラッと返すと本に夢中だ


「洸、何か他に言う事ないのか?」

実が言うと

「何が?」

洸が言う

「俺ら半年ぶりに会ったんだぜ?
見舞いにも来たのに、お礼とか言う事あるだろ。」

「だから、久しぶり。」

「そうじゃなくて!何で、この半年間
連絡取れなかったんだよ。何があったんだよ。
説明してくれないと分かんねーよ。」

「別に。何もない。」

「何もなかったら友達、傷つけていいのかよ。
言ったよな?この半年間、俺らがどんな気持ちだったか。
お前にとったら、どうでもいいかもしれないけど
俺らにとったら大事な事なんだよ!」

「友達?友達だったら何でもかんでも
言わないといけないのかよ?
言いたくない事とか知られたくない事とか
色々あんだよ!」

今まで冷静だった洸が感情を爆発させて言った

「・・・洸。」

紗智は今までに見た事のない洸の姿に
少し戸惑っていたー


「友達だから知りたいんだよ。
この半年間、お前に何があった?なぁ?」

「・・・言いたくない。」

「もしかして部活、辞めたのも関係あんのか?
部活、辞めるほど体、良くないのか?」


実が部活の事を触れた瞬間ー


「うるせー!黙れ!お前らに関係ないだろ?!」


洸が更に感情をあらわにして言った

「洸・・・。」

紗智は、そんな洸の姿に
ショックを隠し切れない様子だったー


「・・・・・。」

そんな紗智を見た洸は少し黙ってしまった


だが、すぐに

「・・・悪いけど帰ってくんない?話す事ないから。」


洸が言うとー


「洸!」

実が言う


「いいから帰れ!帰れよ!」

洸がそう言うとベットの中に
もぐりこんでしまったー


「・・・・・!」

実は病室を出てしまったー

「実!」

葉月が実を追う

「・・・・・。」

紗智は二人を追おうとしたが

洸の病室の周りに、ふと目をやった


そこにはハンガーにかけられた
バスケのユニフォームが掛けてあったー


紗智は洸が心配だったが
病室を出て二人を追いかけた