「……………。」
紗智は一瞬、言葉を失ったー。
紗智が想像していたヤンキーみたいな怖い人とは
全く正反対なタイプな男の子が目の前に来る
黒髪のサラサラヘアーで肌は色白く
体型も実のようなガッチリした体格と言うよりは
男の子にしては少し細身で
けど身長は実と変わらないくらい高かった
顔立ちも綺麗で大きな瞳に吸い込まれそうな
純粋な眼をしていた
明るく社交的な実とは正反対で
大人しそうで控えめな、そんな印象だったー。
「…ねぇ、結構イケメンじゃない?」
葉月がボソッと紗智に呟いた
「……………。」
紗智は、そんな言葉も耳に入らないくらい
彼の姿に目が離せなかったー。
そんな紗智の姿に葉月がニヤニヤしながら
「もしかして紗智のタイプ?一目惚れ?笑」
「えっ?!」
「イケメンだし紗智、好きそうだもんね~♪」
「ちがっ…!そんなんじゃないよ!」
紗智は顔を真っ赤にして慌てて否定した
「照れるなよ~♪別に良いじゃん♪」
「だから違うって!もー!」
二人はギャーギャー!騒いでると
「何?何の騒ぎ?」
実が呆れた顔で言いながら二人の前に立った
「別に!何でもないっ!!」
紗智と葉月は慌てて否定した
「そう?あっ…!こいつ、俺のダチで洸!」
「コウ?」
二人が実が紹介した男の子を見るとー。
「初めまして。相馬洸です。よろしく。」
洸は、そう言うとニコッと笑った
「……よろしく。」
紗智と葉月はポカーンとした表情で答えた
「お前ら、どうしたの?」
実が笑いながら聞くと
「いやっ、相馬君ってもっと大人しい人かと思った!
」
葉月がビックリしたように話した
すると実が爆笑しながら
「だろ?!俺も初めて会った時そう思ったよ!
暗いと言うか無愛想と言うか…笑」
「うるせーよ!」
実の横に居た洸が怒りながら言った
「あははっ♪あっ!とりあえず座ってー!」
そう言うと葉月は紗智の横に座り
実、洸が目の前に座ったー。
目の前に座った洸に目が離せない紗智。
そんな紗智に気付いた洸は
紗智にペコッと頭を下げた
「……………!」
紗智は思わず頭を下げたー。
「二人は名前なんて言うの?」
洸が聞いたー。
「あっ、私は椎名葉月です!」
葉月は明るく自己紹介した
「椎名さんね。よろしく。君は?」
洸は紗智の方を見たー
「わっ…?私!私は…相沢…紗智です。」
紗智は緊張しながら自己紹介した
「さち?漢字で、どう書くの?」
洸が聞く。
「えっと……」
紗智が漢字の説明に困っていると
洸が近くにあった紙ナプキンと
アンケート用紙用のペンを取り紗智に渡したー
「ありがとう…。」
紗智は、そう言いながら自分の名前を書いた
“相沢 紗智”
緊張のせいか手が震えて上手く書けず
文字がイビツになってしまった
「こう書くんだ。俺はね…。」
洸は紗智からペンを受け取り自分の名前を書いた
そして紗智と葉月に見せた
「俺の名前は、こうやって書くんだ。」
“相馬 洸”
洸が書く字は男の子にしては上手で綺麗だった
「相沢の相と相馬の相って同じ字だね。ほら一緒。」
洸が文字を指しながらニコッとした
「…そうだねっ。」
紗智は、そんな洸の笑顔にドキッとしたー
「へー、相馬君って字、上手なんだね!」
葉月が言うと
「あっ、洸で良いよ。椎名さん。」
「じゃー洸!私も葉月で良いよ♪」
「うん。葉月。相沢さんも洸で良いからね?」
「えっ…。」
「そうだよー。呼んでみなよ!」
葉月はニヤニヤしながら紗智に言う
紗智は照れながらも勇気を振り絞って言った
「…洸。」
「うん。紗智!」
洸は笑顔で、そう答えた
「!」
紗智は不意打ちに“紗智”と呼ばれた事に
驚きと恥ずかしさで言葉が出なかった
そんな紗智を嬉しそうに見る葉月
三人の、やり取りを安心したように笑う実ー。
