clover*


その頃、紗智はー

「じゃあー優太君、戻ろうか。」

優太君をトイレに連れて行った紗智は
優太君の居る受付の場所に戻るところだった

すると優太君はニコッと笑って走った

「え?!ちょっと・・・優太君!」

紗智は慌てて優太君の後を追いかけた

優太君は楽しそうに走っているが・・・

「優太君!ここは病院だから走っちゃダメ!」

紗智は必死で追いかける

すると優太君が角を曲がるとー


「うわっ!」

優太君の声が聞こえた

「優太君?!」

紗智も急いで角を曲がると

優太君が倒れていた

「優太君!大丈夫?」

紗智が優太君に声をかけて体を起こすと

「うん・・・。」

優太君は無事だったー

「優太君!病院で走っちゃダメでしょ?!」

紗智は優太君に怪我がないか確認した後
優太君に注意した

「ごめんなさい・・・。」

優太君は少し涙目で謝ったー

「うん。分かったなら、もういいよ。
怒って、ごめんね。」

紗智が優太君の頭を撫でた

「でも何で驚いて転んじゃったの?」

紗智が優太君に聞くと

「あっ!あのね!僕、お兄ちゃんに会ったの!」

「お兄ちゃん?・・・実・・・?
さっきまで一緒に居た、お兄ちゃん?」

紗智が聞くとー

「違うよ!花火大会の時の、お兄ちゃんだよ!」

優太君は嬉しそうに言った


「えっ・・・?花火大会の時の・・・お兄ちゃん?」

紗智は優太君の言葉に驚いた

「それって・・・もしかして・・・洸?」

紗智は何の事だか訳が分からなくなり
言葉を失い、ただ呆然としていた

「お姉ちゃん?」



「紗智!優太!」

「あっ!お兄ちゃん!ママ!」

後ろから実と優太君の母が走ってきた


「お前、何してんだよ!受付の所に戻ったら
優太のお母さんから二人が戻ってこないって
聞いて・・・探したんだぞ!」

実が息を切らしながら紗智に言った

「・・・・・。」

紗智は実の言葉にも反応がなかった

「紗智?聞いてんのか?」

すると紗智は

「すみません・・・私、これで失礼します!」

優太君のお母さんと優太君に頭を下げて
その場から走り出してしまった

「紗智?!・・・すみません!」

実も頭を下げ紗智の後を追いかけた


優太君と優太君の母は驚いた顔で二人の姿を見ていたー