clover*


「お姉ちゃん!」

優太君が紗智に話しかけてきたー

「優太君。」

「あれ?お兄ちゃんは?」

「ちょっと用事があって今は居ないんだ。」

「そうなんだ・・・。」

「お母さんは?」

「まだ並んでるよ。」

「そっか。じゃあーお母さんの所に戻ろうか。」

紗智と優太君は受付の所に戻った


受付の所に戻り、しばらくするとー


「ねぇ、ママー!トイレ行きたい・・・。」

優太君が優太君の母に言った

「ちょっと待ってて。もうすぐで受付だから。」

「でも無理だよー。」

「えーどうしよう・・・。」

優太君の母が困っていると

「私が連れて行きましょうか?」

紗智が言った

「わーい!お姉ちゃんと行くー!」

「でも・・・。」

「大丈夫です!我慢もよくないですし。」

「じゃあ、お願い出来ますか?すみません。」

「はい。じゃあー優太君、行こうか?」

「うん!」

紗智は優太君と手を繋ぎトイレと向かったー


その頃、実はー

実の父と院長室に居た

二人は向かい合うようにしてソファに座っていた

「それで、お前。将来の事は考えているのか?」

「まだ決めてない。」

「でも聞く必要もないな。お前は医大に行って
医者になり、この病院を継ぐんだからな。」

「・・・・・。」

「それで?お前の話とは何だ?
どこの大学に行くか迷ってるのか?
だったら俺と母さんの通ってた大学に・・・」

「俺は医者にはならない!」

「何?」

「もちろん大学には行く。でも!医大ではない。」

「実!何をバカなことを言ってるんだ!
お前には、この病院を継ぐ権利がある。一人っ子のお前にはな!」

「何で勝手に決めんだよ!親が医者だからって
息子だからって俺まで医者にならないといけないのかよ?!」

「当たり前だろ?お前が生まれた時から決めていたんだ。
お前に、この病院を継いでほしいと。」

「俺にだって、やりたい事があんだよ!」

「やりたい事?医者よりもか?何だ?言ってみろ。」

「・・・・・。」

「まさか、まだ、あんなくだらないボール遊びをしてるのか?」

「!」

実は一番大事にしているバスケをバカにされ怒りが込み上げてきた

実は両手をギュッと握りしめたー


「あんな物で遊んでないで勉強しなさい。
あと受験まで半年しかないんだからな。
今から頑張らないと医大には入れないぞ。」

ついに実は我慢の限界が来てしまい

「うるせぇ!いくら親父でもバスケをバカにしたら許さねー!
それに俺の将来は自分で決める。親父が決める事じゃない。
だから口出しすんじゃねぇよ!医者にはならないからな!」

そう言うと実は鞄を掴み出て行こうとすると

「後悔しても知らないからな。まーいい。
頭を冷やして、もう一度、考えなさい。」

「・・・・・。」

実は部屋を出て行った

実の父は呆れた様子で深いため息をした

そして部屋の外では実が右手で鞄を強く握りしめていたー



実と実の父の関係は更に悪化していったー


実は両親の医者になる事への期待と

バスケに対する想いの間で悩んでいたー


それは紗智や葉月、誰にも言えない悩みであった-



「・・・・・。」

実は、そのまま紗智達が居る場所に戻った