一年前の春。
紗智達、三人が二年生になってすぐの頃ー。
「実、遅いね。」
「うん。」
紗智と葉月はファミレスで実を待っていた
「もー、久しぶりに三人でファミレス行こうって
実が言い出したのに!」
葉月がイライラしながら言う
「仕方ないよー部室に忘れ物して
取りに行ってるんだし。」
「もー紗智は優しいし、お人好しなんだからー」
「あはは。葉月、落ち着いて?」
「でも、もう30分以上、たってるよ?
学校すぐそこだしファミレスまで10分ぐらいで
着くのに遅すぎない?」
葉月が携帯の時間を見て、そう言った
「確かに。何かあったのかな?」
紗智が心配そうに言った
「じゃー電話してみるねっ!」
葉月は、そう言うと実に電話した
♪~
「もしもし?」
実は、すぐに電話に出た
「あー実?何してんの?遅いよ!」
「わりぃ、わりぃ。もうすぐ着くから。
実は、さっきダチに会って今、一緒に居るんだよ」
「ダチ?どんな人?」
「お前らの知らない奴で違う高校の。
そいつも一緒に、そっちに行ってもいいか?
お前らにも紹介するからよ。」
「あー、うん。いいけど。」
「分かった!じゃあ後でな。」
そう言うと実は電話を切った
「……………。」
葉月も電話を切る
「何?どうしたの?」
紗智が心配そうに葉月に聞くと
「あー実が友達に会って一緒に居るんだって。
んで今から一緒に来るみたいだよ?」
「えっ!嘘!今から?」
紗智は突然の事で慌てた様子で言う
「何、慌ててんの?もしかして緊張してる?」
葉月が笑いながら言う
「するよーねぇ、どんな人?」
「うちらの知らない人らしいよ。」
「どんな人なんだろ?
怖い人だったらどうしよう。ヤンキーとか…」
「ヤンキーって、いつの時代だよー笑」
「だってー私、人見知りだから!」
「確かに。でも実、見た目チャラそうに見えるけど
意外と中身は真面目だから友達もそうかもよ?」
「でも……。」
「それにイケメンでカッコイイかもよ?
紗智の好みのタイプかもしれないよ?」
「なっ……。私、一目惚れとかしないし
会ってすぐの人をそんな目で見たりしないもん!」
「別に良いんじゃない?一目惚れとか普通だし。
恋なんて、そんな感じから始まるんだから。」
葉月は、そう言うとジュースを飲んだ
「……………。」
紗智は顔を真っ赤にして黙ってしまった
紗智は今まで恋なんてした事なかった
親友の葉月は中学からモテていて
普通に恋愛したり彼氏居たり
今時の女子高生って感じだったー。
それに比べて紗智は人見知りで控えめな性格の為
恋愛した事も誰かに告白される事もなく
恋愛とは無縁な日々を過ごしていた
幼馴染みの実もモテていたし
仲良いし頼れる存在で
小さい頃から、ずっと一緒に居たけど
実を恋愛対象として見れなかったし
もし実を好きになったら他の女の子の反応とかが
怖くて実を、そうゆう風には見れなかった
「紗智?どーした?」
葉月の声で紗智はハッとした
「ごめん!何でもない!」
「そう?なら良いけど?」
「……………。」
葉月は、いつもこうやって紗智を気にかけてくれて
本当に優しくて明るくて自慢の親友だ
でも葉月はモテるけど今は誰とも付き合ってない
「ねぇ、葉月。」
「うん?」
「好きな人って居る……?」
「えっ!何いきなり?!」
「葉月、全然、恋愛の話しないからさ。」
「あー……今は居ないよ。今は彼氏とかいらない。」
「え、何で?葉月、可愛いしモテるのに!」
「そんな事ないから。それなら紗智の方が可愛いし
モテると思うよ?私が男なら紗智を彼女にしたいもん」
「私なんか……。」
「もう、すぐそんな事、言ってー。
紗智に足りないのは自信!もっと自信もって!」
「自信か。」
紗智は思った。
私は本当に恋愛なんて出来るのだろうか?
私を好きになる人なんて居るだろうか?
そんな人が現れるだろうか?
そんな事を考えているとー。
カランカラン♪~
ファミレスのドアの開く音がした
「紗智。葉月。」
実の呼ぶ声に紗智と葉月が反応するとー
「あっ……。」
実の後ろから、こっちに向かって歩いてくる
男の子が来たー。
