「紗智-!」
「葉月。」
学校の帰り道、紗智は葉月に話しかけられた
「紗智は志望校とか決まったー?」
「うーん。まだー!」
「だよねー!受験まで、あと半年しかないのに
ヤバイよねー!」
「とりあえず夏休みに見学行こうよ。」
「そうだよねー!行こう!」
紗智と葉月は受験の事で悩んでいたー
志望校はどうするか
大学か、専門か、それとも就職?
将来、何をしたいか分からないでいた
二人には夢という夢が見つからないでいた
「もうすぐ実の最後の大会だね。」
葉月が言った
「そうだね。」
「私達も応援しに行こうよ!」
「うん!」
「実は、どうするんだろ?受験・・・。」
「うん・・・。」
紗智は、ふと思ったー
実は小さい頃からバスケ一筋で
小中高とバスケ部で頑張ってきた
将来、バスケの選手になるって言ってたけど
今は、どう思っているんだろうか?
放課後ー
教室で紗智は帰る準備をしていた
「紗智!」
「実!」
後ろから実が紗智に話しかけた
「もう帰るのか?」
「うん。」
「あれ?葉月は?」
「用事があるからって先に帰ったよー。」
「そっか。じゃあー一緒に帰ろうぜ!」
「実、部活は?」
「今日は、ないよ。珍しいだろ?」
「珍しいね!」
「じゃあー帰るぞ!」
「うん……。」
紗智と実は二人で帰る事になったー
紗智は実の隣を歩き
実の話を聞きながら思った
実と二人で帰るなんて久しぶりだ
いつぶりだろうか?
いつも葉月が居て三人で帰ったり
実は毎日、部活だから
ほとんど葉月と二人で帰る事が多かったー
「二人で帰るの久しぶりだよね?」
紗智が実に話しかけた
「あーそうだな。」
「もうすぐ大会だね!頑張ってね!」
「おう。大会が終わると部活引退だからなー。」
「葉月と二人で応援に行くよ!」
「マジ?サンキュー!」
実は笑顔で言った
紗智は思った
葉月や実には、いつも心配や迷惑かけてきた
いつも二人には助けてもらった
今度は自分が二人の力になりたいー
「あっ。」
紗智は、ふとある事を思いだし実に聞いた
「実!」
「何?」
「実は志望校とか決めた?」
「……あー。それね。」
「進学だよね?それとも就職とか?」
「あーまだ何にも決めてないわ。」
「そんなんだ……。」
「紗智は?」
「私は、とりあえず進学。」
「へぇー。何か、やりたい事とかあるの?」
「まだ、そこまでは決めてない。」
「そっか。」
「うん……。」
二人は少し沈黙してしまった
紗智は少し重い空気にしてしまった自分が
嫌になった
すると実が紗智に聞いた
「紗智は将来の夢とかある?」
「夢?考えた事ないな。
小さい頃は色んな夢を持ったりしたけどね。」
「そっか。」
「実は夢、あるの?」
「俺も今は、ないかな。」
「そうなんだ。」
紗智は、ずっと実に聞きたかった事があったー
それは、なぜ今の高校を志望校に変えたのか
ずっと行きたかった高校にしなかったのか
実の成績ならバスケの実力なら
受かってたかもしれないのにー
紗智は聞きたくても聞けなかった
そして今、思いきって聞いてみる事にしたー
「あのさぁー実!」
「何?」
「ずっと聞きたかった事があって……。」
「何だよ。何?聞きたい事って?」
「実は、何で……。」
紗智が勇気を出して聞こうとした時だったー
「お姉ーちゃーん!」
「えっ!何?」
紗智は、いきなり叫ぶ声に驚いていると
「なぁーあれじゃないか?」
実が指差す方に視線をやると
少し離れた所で
小さな男の子が手を振って近づいてきた
その距離がだんだん近くなり顔もはっきり分かると
紗智には見覚えのある男の子だった
「もしかして!・・・優太くん?!」
紗智に抱き付いてきたのは
花火大会の時に迷子になっていた男の子だったー
「どうして、ここに?」
紗智が聞くと
「僕、この町に住んでるんだ。」
「そうなんだ。お姉ちゃんと同じだね。」
紗智は、しゃがみ込み優太君と同じ目線で話すと
優太君の後ろには
優太君の母が頭を軽く下げ立っていた
紗智も軽く頭を下げた
「優太君、お母さんとお出かけ?」
紗智が言うと
「ううん。今から病院に行くの。」
「病院?」
紗智が優太君のお母さんの方を見ると
「すみません。この辺に、この病院、知りませんか?」
優太君のお母さんが紗智に紙を見せた
「この病院・・・。」
紗智には知ってる病院だったー
すると隣で紙を見ていた実が
「知ってますよ。案内しますよ?」
そう言った
「本当ですか?ありがとうございます。」
優太君の母は頭を下げ、お礼を言った
「気にしないで下さい。・・・紗智、行くぞ。」
実が紗智に言うと歩き出す
「お姉ちゃん!行こー!」
優太君が紗智の腕を引っ張った
「う、うん・・・!」
四人は病院に向かったー
