clover*



「ハァ、ハァ・・・。」

紗智は教室を飛び出し携帯片手に
どこかへ向かって走っていた


ある場所に着いて紗智は立ち止まった

息を切らしながら、ふと周りを見た

その場所とは中庭だった-


紗智、実、葉月のお気に入りの場所

そして洸との思い出の場所


季節は冬になり外は寒くて
ここに来る生徒は誰も居なかった

紗智達も花火大会の日から
一度も来なかった

紗智は中庭の来たら洸を思い出してしまうから
なかなか来れずに居た

そして今、久しぶりに来た中庭は
何だか落ち着くと言うよりも
凄く冷たくて寂しい気持ちになった

まるで今の紗智の気持ちを表してるような
そんな感じだった


紗智はベンチに座り右手に握られた携帯を見た

携帯を握る手は少し震えていた

画面を洸の連絡先を出して恐る恐る電話をかけた

電話が鳴る音と自分の心臓の加速する音が重なりあう


するとー

「この番号は現在、使われておりません。」

その言葉が耳に入ってきた

紗智はショックのあまり携帯を落としてしまった

「え?何で・・・?」

紗智は、そう呟くと
その場に座り込んでしまったー

ただ呆然とした表情で、また携帯を拾った

電話がダメならメールは?と思い
紗智は洸にメールを送った

するとー

「メッセージは送信できませんでした」

メールも送る事が出来なかった

「何で?じゃあ・・・LINE!」

紗智はLINEの画面を出そうとするが
返信が来ないと思うと怖くて開けなかった

「何で?洸。どうして急に、こんな事に・・・。」

紗智には洸の事が理解出来なかった

頭が真っ白になってしまい混乱してばかり


「・・・約束したのに。二人で会おうって。
話したい事があるって言ってたじゃん。」


花火大会の日、洸が紗智に言った言葉ー


紗智は洸と出会ってからの事を思い出していたー