紗智と洸は校舎から出て体育館の近くまで走っていた
「ハァ、ハァ。」
洸は息を切らしながら後ろを振り向いた
「うまくまいたみたいだな。紗智、大丈夫?」
「ハァ、ハァ・・・うん、大丈夫。」
紗智は隣で息を切らしながら答えた
「あいつら大丈夫かな?ちょっと電話してみるか。」
洸は、そう言うと実に電話を掛けた
すぐに実が出た
「もしもし?実?大丈夫か?良かったー。
うん、こっちも平気。え?ああー分かった!サンキュ!
じゃあー後でな。」
洸は電話を切った
「実と葉月、大丈夫だった?」
紗智が心配そうに聞いた
「うん、二人とも大丈夫だって。今、校舎の近くだって。
中庭で待ってろって。」
「そっかー良かった!」
紗智が安心した顔で言うと
「それと紗智。」
「うん?何?」
洸がクスッと笑いながら下を指差しながら
「見て。」
「?」
紗智は下を見ると・・・二人は裸足だった
「あー!忘れてたー!」
紗智が慌てた様子で言った
「だよね?夢中で走ってたもんね。」
洸が笑いながら言うと
「全然、気づかなかった-!」
紗智も笑いながら言った
二人は、しばらく笑いが止まらなかった
すると洸が
「紗智、足、大丈夫?さっき足、痛めてたよね?」
しゃがみ込み、紗智の右足首を見た
「あっ。」
紗智は花火大会の会場に向かう時に痛めた足を思い出した
「ちょっと腫れてる。ごめん、俺、気が利かなくて。」
「大丈夫!そんなに痛くないから!・・・痛っ!」
「あー無理しなくていいから。・・・紗智、乗って。」
洸は、そう言いながら紗智に自分の背中を見せた
「え?まさか・・・おんぶ?良いよ!重いし悪いし!」
紗智が慌てて断ると
「良いから。それに・・・俺にもカッコつけさせて?
俺、何かいつも紗智にはカッコ悪いとこばっか見せてるし。」
「洸・・・。」
紗智は洸の気持ちに応えるように洸の背中に近づいた
「分かった、お願いします・・・。」
「うん。落ちないように、ちゃんと掴まってて。」
洸はそう言うと紗智の体が落ちないように立ち上がり歩いた
紗智は、まさかの展開に少し混乱してたが
洸の背中の体温を感じて
何だか、とても温かい気持ちになった
それと同時に洸との距離が近すぎて
紗智の胸の鼓動が速くなっていた
「中庭って、どこ?」
「あっ、そこを右!」
洸は紗智に言われた通り右に曲がるとー
「へぇーここが中庭かぁ。」
洸が周りを見渡すと校舎と体育館の間に
大きな木に囲まれていてベンチが二つ
何だか落ち着く雰囲気があった
「良いね!何だか落ち着くし。」
「でしょ?気に入った?」
「うん。気に入った!」
「良かったー私達も、ここがお気に入りで
よく来るんだー!あっ!もう着いたし降ろして!」
紗智が慌てて言う
「え?ああ。大丈夫?」
洸がそう言いながら紗智をゆっくり降ろし
ベンチへ座らせた
「ありがとう。」
紗智は洸に、お礼を言った
「うん。」
洸は紗智の隣に座った
