clover*


「たくっ、にげやがった。」

実が、そう呟くとー

「・・・・・。」

紗智は放心状態で、その場で座り込んでしまったー

「紗智!」

葉月が紗智の側に駆け込んだ

「大丈夫?」

葉月が話しかけると

「うん。大丈夫・・・。」

紗智は、そう言ったが紗智の手は恐怖で震えていたー

「・・・・・。」

そんな紗智の姿を見た実は
紗智を心配して寄り添う洸に近づき胸倉を掴んで、こう言った


「てめえ!何で紗智を一人にしてんだよっ!」

「・・・・・。」

洸は実の言葉に答えられずにいた

「何とか言えよっ!」

洸の態度に実は我慢出来ず
洸を殴ろうとした・・・その時。

「実、やめて!私が一人だったのは訳があったんだよっ!」

「そーだよ!二人の話も聞いてあげて?
それに洸は紗智を必死に助けて守ろうとしてたじゃん!」

紗智と葉月は必死に実を止めようとした・・・

「!」

実は二人の言葉と、さっきの紗智が洸を呼ぶ姿を思い出し
殴るのをやめたー

「・・・・・・。」

「実.....。」

葉月は実の気持ちを何か察した様子で言ったー


「迷子?」

「うん。」

紗智は実と葉月に、さっきまでの出来事を話した

迷子の男の子の為に洸が迷子案内所に行った事
紗智を男の子と一緒に居させた事
両親が迎えに来て結果、紗智が一人になってしまった事

「じゃー洸は迷子の男の子の為に頑張ったんだね!
それに親が見つかって良かったね!」

葉月が笑顔で言った

「うん。・・・・・・。」

紗智はちらっと実と洸を見た

「・・・・・・。」

ぶすっとした顔で黙る実と、ずっと沈黙したままの洸

そんな二人の様子に紗智は、どうしていいか分からないでいた

そんな三人を呆れた顔で見ていた葉月は言った

「三人とも!そんなんじゃ花火、楽しめないでしょ?!」

「花火、楽しめる雰囲気じゃねーだろ。
それに紗智は、怖い思いしたんだから、
それどころじゃねーだろ。」

実がため息をつきながら言った

「そーだよね・・・。じゃあさ、他の場所に行かない?!」

葉月が何か思いついた様子で言った

「他の場所?」

紗智が聞くと

「うん!他の場所に行って
ここに居ても紗智は、
さっきの事思い出して嫌でしょ?」

「うん・・・。」

「他の場所って例えば?」

実が頭を掻きながら聞いた

「うーん・・・あっ!学校は?!」

「はぁ?学校?」

「そう!ここから意外と近いじゃん!」

「まぁー確かに。歩いて十五分くらい?」

「それに洸は、うちらの高校に行った事ないでしょ?」

葉月が言うと実と紗智は洸を見た

「うん、まぁ。でも一度、学校説明会で行った事あるよ。」

「そうなの?」

紗智が聞くと

「うん。もともと志望校だったから。」

洸が、そう答えた

「まじかよ。お前の高校の方が良いじゃん。
・・・バスケつえーし。」

実が羨ましそうに言った

紗智は、そんな実の様子を見て思った

そうだ、実は洸の通ってる高校が行きたかった事をー

「・・・・・。」

紗智は実が、なぜ志望校を変えた理由が気になっていた

洸は実の言葉に

「うん、確かにそうだけど...
俺は本当に実達の高校に行きたいって思ってたんだよ。」

そう言った。何だか少し寂しそうな表情で

紗智は、そんな洸の表情が気になった

「じゃあさ、うちらの高校の生徒になってみる?」

葉月がニッて笑って言った

「はー?お前、何言ってんだよ。生徒になれる訳ねーだろ。」

実が呆れた顔して言う

「本当になるんじゃないよ!ただ生徒気分になるって話!」

「どーいう事?」

紗智が葉月に聞くと

「学校に忍び込むの!」

「え?!」

「今から学校に行って洸に学校を案内するの!」

「何か面白そーじゃん!」

実が葉月の話に乗ってきた

「でもバレたら、ヤバイんじゃないの?」

紗智が不安そうに二人に聞いた

「大丈夫だって!この時間は生徒も居ないし
先生もあんま居ないんじゃない?」

「でもさ・・・。」

紗智がためらっていると

「俺、行ってみたいな。みんなが通っている学校に。」

洸が三人に言った

「洸・・・・・。」

「じゃあー行こう!ワクワクしてきたー!」

「たくっ!仕方ねーな。」

「なによー!実も行きたがってるくせに~♪」

「うるせー!」

実と葉月がギャーギャー騒いでると

「紗智。」

洸が紗智に話しかけた

「洸。」

「さっきは、ごめん。一人にさせちゃって・・・。
怖い思いさせて悪かった。」

「そんなっ!洸は悪くないよ!
それに助けてくれたし。凄く嬉しかったよ。ありがとう。」

「いやっ!ほとんど実が助けてたけどね。
でも・・・もし、また紗智が危ない目にあった時は
絶対に守るから。」

洸が真剣な顔して言った

「えっ!」

紗智は洸の真剣な顔と言葉にドキッとした

「紗智!洸!行くぞ!」

実が二人に話しかけた

「分かった!じゃあー紗智、行こう!」

洸がニコッと笑って言った

「うん!」

紗智は洸に笑顔が戻って安心し笑顔で返事した

そして四人は紗智、実、葉月が通う高校に向かったー