紗智の様子に男の子が
「ねぇーねぇーあの、お兄ちゃん、
お姉ちゃんの彼氏?」
「え!かっ、彼氏?違うよ!!」
「ふーん。じゃあー片想い?」
「片想いって・・・優太君、七歳なのに
よく、そんな事、知ってるね。」
紗智が驚いた様子で男の子に言った
「知ってるよ。それくらい。
僕ね、好きな人が居るんだ。」
「優太君に?」
「うん!でも好きって言えないんだ。」
「何で?」
「・・・言ったら嫌われちゃうから。」
「どうして?」
「僕の事なんて好きになんかならないよ。
僕、弱いから。今も迷子になっちゃうし。」
「そんな事ないよ!
弱いとか強いとか関係ないよ!
好きって気持ちが大事なんだよ!」
紗智は、そう言うとハッとなった
「・・・・・。」
紗智は小学生の男の子相手に
何を熱くなっているんだろうと思い恥ずかしくなった
「ありがとう!僕、頑張るね!」
男の子は笑顔で、そう言った
紗智は男の子の笑顔を見て少し嬉しかったー
「優太!」
男の子を呼ぶ声がして二人が振り向くと
「ママ!パパ!」
男の子が、嬉しそうに叫ぶと
二人の元へと走った
母親が男の子を泣きながら強く抱きしめた
「良かった・・・優太。」
「痛いよーママ。」
男の子は少し苦しそうに言った
「ダメだろ?勝手に、はぐれたりしたら。
心配するだろ?」
父親が注意すると
「ごめんなさい・・・パパ。」
男の子が泣きながら謝った
「分かったから泣くな。良かった無事で。」
父親は、そう言うと男の子の頭を撫でた
「でも、どうして、ここに?」
母親が男の子に聞くと
「あの、お姉ちゃんが助けてくれたの。」
「お姉ちゃん?」
男の子が紗智を指差した
紗智は、それに気付き男の子の両親に頭を下げた
二人も紗智に頭を下げた
「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」
男の子の両親が深々と頭を下げて言った
「いえいえ!そんな事・・・。」
「ほら優太!あんたも、お礼言って!」
「お姉ちゃん、ありがとう!」
「うん。良かったね。優太君。」
「うん!あの、お兄ちゃんにも伝えといて。」
「分かった・・・伝えとくね。」
「お姉ちゃん!僕、頑張るから
お姉ちゃんも頑張ってね!」
「え、頑張るって・・・何を?」
紗智が不思議そうに聞くが
「じゃあね!」
男の子はニカっと笑って言った
何度も頭を下げる両親の手を握り
笑顔で手を振り歩いていく男の子を見て
紗智も笑顔で手を振った
「あっ!洸に電話しなきゃ!」
紗智は急いで
迷子案内所に向かっていた洸に電話した
「良かったー親、見つかったんだ。」
「うん。優太君が洸に、ありがとうって言ってたよ。」
「そっか。じゃあー今から戻るね。」
「うん。」
「実たちは、まだ?」
「うん・・・まだ。どうしたんだろうね?
葉月に電話してみる。」
「分かった。俺もすぐ戻るから気を付けて。
一人なんだから。何かあったら電話して。」
「分かった。待ってるね。」
洸は、そう言うと電話を切り紗智も切った
紗智はすぐに葉月に電話した
「もしもし?葉月?今どこ?」
「紗智!ごめん!凄い並んでて今やっと買えたとこ。
かき氷で、こんな並ぶとは思わなかったよー!
今から急いで戻るから待ってて!」
「うん、分かった。」
紗智はそう言うと
電話を切りベンチで三人を待っていたー
