「昨日、母さんが倒れて俺、怖かった。
母さんに何かあったらどうしようって。
父さんみたいに母さんまで居なくなったらって。
考えただけで怖くて不安で。」
「洸・・・。」
「放心状態だった俺の側に先生がいてくれたんだ。
俺は先生に母さんが倒れたのは俺のせいだって言った。
心配ばかりかけたから倒れたんだって。
そしたら先生は母親として当然だって。」
「そうよ、先生の言う通り。母親だもの。
心配するのは当然じゃない。」
「・・・先生が教えてくれたんだ。
俺が事故に遭った時、
母さんが凄くショックを受けてて俺の名前を叫んだって。」
「あの時は本当に辛かったわ。
父さんも居なくなって洸まで居なくなったらって。
そうなったら私は生きていけないって。」
「毎日、見舞いにも来てくれたんだよね?
俺に話しかけてくれたんだよね?
仕事で疲れてるのに、ありがとう。」
「仕事の疲れなんかそんなのどうでもいいの。
ただ洸が一日でも早く・・・
いやっ、一分、一秒でも早く目を覚ましてほしいって
ただただそれだけを願っていたの。
たとえこのままでも、どんな姿のあなたでも
生きていてくれればそれでいいって。」
「俺が目を覚ました時。母さん泣いてたよね。
俺、母さんの泣いてる姿、久しぶりに見た。
父さんが亡くなってから一度も見てないから。
俺の前ではいつも笑顔だったから。」
「洸が目を覚ました時は本当に嬉しかった。
神様と父さんに何度もお礼言ったわ。」
「俺はいつも母さんを心配ばかりかけて
悲しませてばかりで・・・本当に、ごめん。
親不孝な俺でごめん。」
「親不孝だなんて・・・そんな事・・・!」
「母さんだけじゃない。
俺は幼馴染や親友・・・友達や大切な人・・・
周りの人を心配かけて悲しませて
傷付けてばかりなんだ。」
「洸・・・。」
「俺、分かってなかったんだ。
自分がどれだけ、たくさんの人に支えられていたか。
分かっていたはずなのに。全然、分かっていなかったんだ。」
洸の目から涙が溢れた・・・
そんな洸に母は手を握りしめたー・・・
「そんなに自分を責めないの。
今、分かったんだったらいいじゃない。
洸を想って心配してくれたり
悲しんだりしてくれた友達や大切な人を
今からそうさせないようにするのが大事なの。」
「母さん・・・。」
「今、洸にはやるべき事がある。
自分でも分かってるはずよ。」
「・・・・・・。」
「洸が笑顔で居ることよ。
それは私だけじゃなく、みんなが望むことよ。
あなたの友達や大切な人みんなが。」
母はそう言うと洸を優しく抱きしめた
そんな母に洸は
「母さん・・・。ありがとう・・・。」
母の気持ちと母の励ましの言葉を聞いた洸は
ある決心したー・・・
