その頃、愛菜は・・・
溢れ出る涙を止める事が出来ず
下を向いたまま
階段を下りると人にぶつかってしまった
「すみません。」
愛菜が謝ると
「愛菜?」
愛菜は聞き覚えのある声に相手の顔を見た
ぶつかった相手とは・・・
「誠・・・。」
洸と実の友達だったー・・・
「何で、ここに居るの?」
愛菜が聞くと
「え?いやっ・・・・
俺はただ洸に呼ばれて。」
「そう。洸に・・・。」
すると誠は愛菜の様子が変だと気付いた
「愛菜どうした?
・・・お前、泣いてんのか?」
愛菜は気付かれて思わず下を向いた
「洸と何かあったのか?」
「何でもない!じゃあね!」
愛菜はその場から逃げてしまった
「愛菜っ!!」
愛菜の様子が気になり
誠は急いで洸の病室へ向かったー・・・
・・・ガラッ!!
「洸!」
誠はノックをせず病室のドアを開けた
誠の視界に入ったのは
洸だけじゃなく
紗智、実、葉月の姿だった
誠は何となく悟った
なぜ愛菜が泣いていたのかを・・・
「・・・・・。」
黙る誠
すると洸が
「誠。来てくれたんだ。ありがとな。」
誠に声をかけた
「洸の友達だよね?」
「誠君って言うんだー!」
「おい、洸。誠に何の用があんだよ?」
紗智、葉月、実が次々に話す
「あっ、いや、その・・・。
昨日、洸から電話があって。
放課後、来てくれって。」
「ああ、俺が呼び出したんだ。」
「何で?」
実が洸に聞いた
「愛菜の事、頼みたくて。」
「愛菜を?」
誠が聞いた
「・・・今も好きなんだろ?
愛菜の事。」
「え?」
「中学の頃から愛菜の事、好きだったのに
俺と愛菜を応援するって身を引いてさ。」
「いや、俺とっくに愛菜に振られてるし。」
「でも好きなんだろ?」
「俺は別に・・・。」
「誠。俺ら親友だろ?嘘つくなよ。」
「洸・・・。」
「悪かったな。
お前の気持ち分かってたのに。
辛い思いさせて。
事故の時もお前や愛菜を巻き込んで。」
「俺は大丈夫だから。
辛くなんかなかった。
俺は愛菜が洸と付き合って嬉しかった。
愛菜の相手が洸で良かったって思ってる。
事故の時だって洸は親友だから
辛かったんだよ。
俺をかばって洸が事故に遭ったから・・・。
巻き込まれたなんて思わないよ。」
「誠・・・。ありがとな。
これからは俺に遠慮とかしなくていい。
愛菜が好きなら好きって言えよ。
・・・俺、愛菜の事、傷付けた。
だから愛菜の側に居てあげてほしいんだ。
愛菜の事、頼む。よろしくな。
俺にとって大事な幼馴染だからさ。」
「洸・・・。分かった。
愛菜の事は俺に任せて。
俺が愛菜の側に居る。支えるよ。」
「誠、会わなかったのか?
病室出てから、
そんなに時間たってないけど。」
実が聞いた
すると
「会ったよ。階段で。
話しかけたけど・・・。
走って行っちゃったよ。」
誠の言葉に
「何で追いかけなかったんだよ。」
「え?」
「何で追いかけなかったか聞いてんだよ!
好きなら追いかけろよっ!!」
「四宮・・・ああ!」
誠はそう言うと病室を出たー・・・
愛菜を追いかける為に
「実・・・。」
紗智が実に声をかけた
「俺また余計な事を・・・。」
「そんな事ないよ。
実が背中を押したんだよ。
だから余計な事なんかじゃない。」
「紗智・・・。」
「実、ありがとな。
誠の背中を押してくれて。」
洸が言った
「誠君、頑張ってほしいね。」
葉月が言う
「大丈夫。誠なら。」
洸が病室の窓の外を見て言ったー・・・
