「洸、話ってなんだよ。」
実が聞いた
「・・・はっきりさせようと思って。
このままじゃ良くないって思ってさ。」
「どういう意味?」
葉月が言った
「・・・愛菜。
さっきの事だけど。」
「え?」
「俺にとって愛菜は幼馴染でしかない。
確かに中学の頃は好きだったし
付き合ってたけど・・・
今は幼馴染としか思わないんだ。
俺が事故に遭って怪我した後、
愛菜が側に居て支えてくれた事は
今でも感謝してる。ありがとな。」
「そうだよ!洸が一番辛い時に側に居た。
支えたのは私。だから洸にふさわしいのは
私で、これからもー・・・」
「違う。それは違うよ、愛菜。
確かに事故に遭って怪我した時も
俺にとって辛い時期だった。
けど、それより前に辛い事があった。
それは言わなくても分かるだろ?」
「洸・・・。」
「・・・・・。」
洸や愛菜だけでなく
紗智や実、葉月も分かっていた・・・
それは洸と愛菜が別れた事
紗智が一番聞きたくなかった事でもあった
でも ちゃんと聞こう
そう思った
「けど、その時・・・出会ったんだよ。
紗智や実、葉月に。
皆と居るとスゲー楽しくてさ。
嫌な事も忘れる事が出来た。
俺が前に進められたのは
みんなのおかげなんだよ。
そして俺は紗智を好きになったんだ。」
「洸・・・。」
洸の言葉に紗智がドキッとした
「沙智が俺を救ってくれたんだよ。」
「・・・・・!」
「俺、気付いたんだよ。
俺が今まで一番、辛かった時って
愛菜と別れた時でも
事故で足を怪我して
バスケが出来なくなった時でもなくて。
紗智と会えなかった時だって。」
洸は真っ直ぐ紗智を見て言った
「洸・・・。」
「俺にとって紗智は大切な存在で
これからもずっと一緒に居たい存在なんだよ。
だから愛菜。お前とは幼馴染のままで居たい。
これからは今までとは違った形の関係で居たい。
ガキの頃から一緒で同じ道を歩んできたけど
これからは違う道を歩んでいこう。愛菜。」
洸は精一杯、自分の気持ちを愛菜に話した
そんな洸に愛菜は
「・・・ひどいよ。人を呼び出しといて。
こんなの、ひどすぎる・・・。」
愛菜の目から涙が溢れた・・・
「ごめん。こうでもしないと
お前、分かってくれないだろ?
俺はどうしても分かってほしかった。」
洸は複雑そうな表情で言った
「・・・分かった。私、洸を諦める。」
「愛菜。」
「仕方ないから洸を解放してあげる!」
「・・・・・。」
「話してくれて、ありがとう。」
「うん。聞いてくれてありがとな。」
「私、洸よりもカッコイイ男子好きになる。」
「うん。」
「彼氏出来たら洸に紹介する。」
「うん。愛菜なら出来るよ。」
「本当に思ってる?」
「思ってるよ。
てか俺、愛菜に似合う男知ってるけどな。」
「え?それって、どーいう意味?」
「そのうち分かるよ。」
「何それ。嘘ばっか。」
「嘘じゃないよ。」
「・・・バイバイ、洸。」
「ああ。じゃあな。」
「・・・・・。」
愛菜はチラッと紗智を見た
紗智は愛菜と目が合いドキッとした
「今まで、ひどい事言ったりしてごめん。」
「え?そんな事・・・!」
「・・・洸の事。お願いね。」
「え?!・・・はいっ!!」
動揺する紗智に愛菜がクスッと笑った
そして愛菜は病室を出たー・・・
「・・・・・。」
紗智、実、葉月はただ呆然とした表情で
その場に立っていた
すると洸が・・・
「紗智。」
紗智に声をかけた
「急にごめんな?ビックリしたよな。」
「少しね・・・でも大丈夫!
それより愛菜さん大丈夫かな・・・。」
「・・・傷付けちゃったよな。
でも愛菜にはちゃんと伝えなきゃって
思ったんだ。ここではっきりさせないと
愛菜を余計、傷付けてしまうから。」
「洸・・・。」
紗智は思った
愛菜さんが傷付いてる分
洸も辛かったはず
誰かを傷付ける事は誰だってしたくない
でも結果そうなってしまっても
しなきゃいけない時が
誰にでもあるって事を知ってしまったから
「・・・・・。」
黙る洸に紗智が
「大丈夫だよ。分かってくれる。
洸の愛菜さんに対する気持ちは伝わってるよ。
だって愛菜さんは洸が好きだったんだから。」
「紗智・・・。
愛菜に言った事は本当だから。」
「え?」
「これからもずっと一緒に居たいって。」
「洸・・・。」
「おい、それってプロポーズかよ?」
実がからかうように言った
「え?!」
実の言葉に洸と紗智が驚いた
「ねー!まるでプロポーズじゃん!」
葉月がニヤニヤしながら言った
「だーかーら!違うって!!」
洸が慌てて否定した
そんな洸が何だか可愛くて
紗智は思わず笑ったー・・・
紗智は思った
洸を好きになって良かったと
