紗智達が帰り病室に一人になる洸・・・
するとー・・・
コンコン・・・!
ドアをノックする音がした
「はい。」
洸が返事をすると
「先生。」
実の父親が立っていた
「ちょっといいか?」
「はい。」
洸が返事すると
実の父親は病室に入りイスに座った
「実達は帰ったのか?」
「はい。」
「そうか。」
「先生、優太は?」
「もう大丈夫だ。安心しなさい。」
「良かった・・・。
すみませんでした。俺のせいで。」
「いやっ、君のせいじゃないよ。
自分を責めるのはやめなさい。」
「はい・・・。あの、先生。」
「何だ?」
「俺、明日からまたリハビリ頑張ります!
早く歩けるようになって
一日でも早く退院出来るようにします。」
「そうか。君なら大丈夫。」
「俺、やっぱりバスケを諦めたくないです。
バスケが好きなんです。
例え出来ないとしても今はただ
やる前から諦めたくないんです。」
「洸君・・・。」
「だから今は諦めろって
言われても俺は絶対に諦めません。
先生が俺を心配して言ってくれたのは
分かってますし感謝してます。
でも今は俺がバスケがしたいって気持ちを
応援してくれませんか?お願いします!」
洸はそう言うと頭を下げた
洸の姿に実の父は・・・
「分かった。応援するよ。
そこまでされたら私は何も言わない。」
「先生・・・。」
「ただし焦っても意味はない。
無理をしないって言うのが条件だ。いいか?」
「はい!・・・先生。」
「何だ?」
「実の事も応援してあげて下さい。
もう分かってますよね?実の気持ち。」
「体育大の事か?」
「はい。医大に行くって言ったのは
半端な気持ちで言ったんじゃないと思います。
あいつなりに悩んで考えて決めたんだと思います。
でもやっぱり、
あいつは体育大に行くべきだと思ってます。
あいつには後悔してほしくないんです。
あいつがどれだけバスケが好きで大事か
知ってるから。俺はずっと見てきたから。
俺はあいつの親友だから。」
「・・・・・。」
「あいつの気持ち聞いてやって下さい。
お願いします。」
洸はまた頭を下げた
そんな洸の実の父は
「・・・分かった。」
そう一言を言い残し
病室を出たー・・・
「・・・・・。」
そして、この時
洸はある決心をしていた
そして、次の日ー・・・
「親父、話がある。」
学校帰りに病院に行き
院長室に居た父を訪ねた実
進路について話す為だったー・・・
「話ってなんだ?」
話の内容を分かってるのに
知らないふりをする実の父
すると実は・・・
「医大に行くって話なんだけど・・・。」
緊張した表情で言う
そんな実に父は
「言いたい事があるならはっきり言いなさい。」
強い口調で言うと実が
「俺、医大には行かない。
体育大に行きたいんだ!
医者にはならないし病院を継ぐ気もない。」
はっきりと気持ちを伝えたー・・・
そんな実に父は
「・・・医大に行くと言ったと思ったら
今度は行かない?どういうつもりだ?
そんな中途半端な考えで良いのか?
どうせまた行くと言い出すんじゃないのか?」
まるで挑発するかのような言い方をした
「もう言わねぇーよ。決めたんだ。
もう迷わないし後悔したくねぇーから。
洸とゆうたのおかげで、はっきりした。
俺はやっぱ自分の夢を諦めたくない。」
「夢って・・・具体的に言いなさい。」
「俺はバスケが好きだから
ずっとバスケ選手になりたいって思ってた。
でもそんな簡単になれるはずがないのも分かってた。
実力や経験や才能がなければなれないって思った。
俺はそんなレベルじゃない。
けど体育大に行ってバスケがやりたいんだ。
俺だって洸と同じでバスケが好きで大事なんだよ。
今はただそれだけなんだよ。
それが今の俺の夢だ・・・!」
実は精一杯、自分の想いを夢を話した
すると黙って実の話を聞いていた父は
「・・・お前の夢と言うのは
そんなちっぽけなものか。」
冷たくて厳しい一言だった
「んだよっ!それっ・・・!」
実は父の一言に怒りがこみ上げる
「もういいっ!
親父に話した俺がバカだったわ!」
実はそう言うと部屋を出ようとした
その瞬間ー・・・
「逃げるのか?
お前は後悔しないのか?」
父が実に聞いた
「何だよ、いきなり。」
実が部屋を出るのをやめた
「後悔したくないんだろ?
だったら私から逃げずに自分の気持ちを貫き通せ。
お前が言う夢ってその程度のものなのか?!」
「・・・・・。」
「私は、お前と同じ高校生の時から
医者になる事が夢で医大を目指して
猛勉強して医大に受かった時は
凄く嬉しかった。医大で勉強して医者になって
色んな経験をしてきて
医者になれて良かったって思ってる。」
実の父は今までに見せた事もない表情で
優しい目をして話すー・・・
そんな父を実は驚きながらも
父の話を聞いていた
すると父は実に
「実。お前には私みたいに
後悔してほしくない。
自分に正直に生きろ。
だから体育大に行きなさい。」
父の意外な言葉に実は・・・
「親父・・・。」
驚いた表情に
更に父は
「行きたいなら絶対に受かりなさい。
分かったな?」
「分かってる。絶対、受かってやる。
ありがとな、親父。」
実は嬉しそうに言った
父も笑顔だった
いつもは父に反抗していた実
息子には冷たく接する父
そんな関係だった二人
実の前では医者としての顔が多かった父は
この日は この瞬間は
父親としての顔を見せていた・・・
そして実も素直に自分の気持ちを伝え
父に感謝したー・・・
そして実は体育大を受験する事になった
