その頃、紗智と洸はー・・・
「紗智。」
「ん?」
「俺、実に謝りたい。」
「洸・・・。」
「ちゃんと話がしたい。
だから悪いんだけど二人を呼んで来てくれない?」
「うん。分かった。」
紗智はそう言うと病室を出ようとした瞬間ー・・・
コンコン・・・・
ドアをノックする音がした
「!」
紗智と洸は一瞬、驚いたが
すぐに誰か分かった
ガラッ!!
紗智がドアを開けると そこには・・・
「実!葉月!」
実と葉月の姿があった
「入って。」
紗智は二人を病室に入るように言った
二人は少し気まずそうに入る
洸も気まずいのか二人を見る事が出来ない・・・
実も下を向いたまま・・・
そんな二人に紗智と葉月が心配そうに見る
「・・・・・。」
沈黙になる四人ー・・・
すると
「実。」「洸。」
洸と実が同時に口を開いたー・・・
二人は思わず驚く
「何?」
「お前こそ何だよ?」
二人の会話が何だかぎこちなく
紗智と葉月は
見るに堪えられないそんな表情・・・
すると洸が
「実、ごめん!」
「・・・・・。」
「俺、昨日あんな言い方しか出来なくて
実を傷付けた。ほんとに、ごめん!
俺が言いたかった事は
実には夢を諦めてほしくないんだ。
お前には俺みたいに後悔してほしくないから。
それに、お前がどれだけバスケが好きな事
一番知ってると思うから。
だから実には夢を叶えてほしい・・・!」
「洸ー・・・。俺の方こそ悪かったよ。
昨日は言い過ぎた。ごめん。
俺も洸には夢を諦めてほしくなかった。
お前には才能もあって実力もあるのに
このまま諦めたら勿体ないって思ってさ。
それに、お前がどれだけバスケが好きで
今まで頑張って来たか俺には分かるから。
俺ほんとは、お前と一緒に体育大に
行きたかったんだよ。」
「実・・・。」
「こうやって、ちゃんと
気持ちを伝えればよかったのに
いつも感情的になって
お前を傷付けてばっかで
ほんと俺ってサイテーだよな。」
「そんな事ねぇーよ。
お前は俺にとって大事な親友だよ。」
「洸。」
洸と実に笑顔が戻った・・・
そんな二人に紗智と葉月は
「良かったー!
二人が仲直り出来て。」
「ほんと。」
紗智と葉月がホッとした表情で言った
すると洸は・・・
「こうなったのも優太のおかげだな。」
洸は優太からの手紙を見ながら言った
「そうだね・・・。」
紗智が頷いた
「俺さ、優太が俺の事をヒーローって
言ってくれて素直に嬉しかった。
けど今のままの俺じゃ、ほんとの
ヒーローにはなれないと思った。
あいつが言う俺のヒーロー像は
今の俺とは違うと思うんだ。
だから俺、リハビリ頑張って
歩けるようになったら
バスケがしたい。
先生には諦めろって言われたけど
やっぱり諦めたくないんだ。」
「洸・・・。」
「ああ、諦めんなよ!
お前なら絶対に大丈夫だから。」
「そうだよっ!私も応援する!」
実と葉月が笑顔で言った
すると紗智は・・・
「私も洸に負けないように受験、頑張る。
そして洸の事、支える。側に居るから。」
「紗智・・・。ありがとう。」
「私も受験、頑張る!
優太君に勇気もらったし!」
葉月が言った
「葉月も手紙、見たの?」
「うん。実はまだみたいだけど・・・。」
葉月が実をチラッと見た
「え?!ほんとかよ、実。」
「読んであげなきゃ!
優太君が可哀想だよ!」
洸と紗智が実を責める
「あーもうっ!うるせぇーなー。
分かった!見ればいいんだろ?」
実は手紙をポケットから出した
ガサッ・・・!
実は手紙を見た・・・
そこには書いてあったのは・・・
みのるおにいちゃんへ
バスケするみのるおにいちゃんが
いちばんカッコイイよ
またバスケしようね
だいすきだよ
ゆうた
「優太・・・。」
「優太君、前に実とバスケしたのが
本当に楽しかったんだね。」
葉月が実に言った
「優太君の言う通り。
バスケしてる時の実は本当にカッコイイよ!」
紗智が言った
「うん。カッコイイ。
実・・・どうしたいか、もう決まっただろ?」
洸が実に聞いた
「ああ。俺、体育大に行きたい。」
実が言った
三人は実の言葉に頷いた
「俺ちゃんと親父に話すよ。」
「うん。実の気持ち
ちゃんと伝わるよ!」
紗智が実に言った
「おう。」
実が笑顔で答えたー・・・
ちゃんと気持ちを言葉にして
声にして
相手に伝えないと何も伝わらない
分かっていたはずなのに
それがなかなか出来ない時がある
それは相手を思って
遠慮して我慢して
自分の気持ちを押し殺してしまう
でもそれは逆に相手を
傷付けてしまう事にもなる
でも自分の感情をただ
伝え過ぎてもダメ
相手を思いやらないといけない
言葉と言うものは本当に難しい
でも今は気持ちを伝える事が
こんなにも凄く大切なんだと
紗智達は強く思い知らされた・・・
