「紗智ー!」
どこにでもある普通の公立高校での昼休み。
名前を呼ばれて振り向いたのは
この物語の主人公である相沢 紗智(あいざわ さち)
高校3年生。見た目も性格も普通で
ちょっと控えめな女の子。
「大きな声で呼ばないでよー恥ずかしいじゃん!」
「あー、わりぃ、わりぃ。」
頭をかきながら謝っているのは
四宮 実(しのみや みのる)
紗智の小さい頃からの幼馴染み。
ちょっとチャラいけど意外と真面目な好青年。
紗智にとっては頼れる存在でもあるし
心を許せる存在。
「で、何?何か用ー?」
紗智はムッとした表情で聞くと
「あー…お前、今からどこ行くんだよ?」
「え。えーと…」
紗智はドキッとした表情で返す言葉に困った
そんな姿を見た実は何かを察したのか
「まぁーどーでも良いけど。」
実はため息つきながら、また頭をかいた
「…ちょっとフラフラするだけだから。」
そう言うと紗智は向きを変えて早々と歩いた
「……………。」
そんな紗智を実は複雑そうな表情で見ていた
すると、
「実。」
後ろから実の名前を呼んだのは
椎名 葉月(しいな はづき)
紗智の中学からの友達であり、親友。
明るくて意外としっかりしてて優しい女の子。
紗智にとっては頼れる存在だし大好きな親友。
今時な女子高生って感じで紗智とは正反対なタイプ。
「聞かなくても分かるでしょ。」
葉月は呆れた表情で実に言う
「分かってるけど…何か心配でさ。」
「まぁ、紗智の好きなようにさせなよ。」
「……………。」
二人は、そう会話しながら教室に戻ったー。
