その頃、紗智はー・・・
洸の病室の前で
なかなかドアのノックを出来ずにいた
ふと紗智に頭の中に
優太の顔が浮かんだ
手紙を書いて
洸に渡そうと思い洸の病室に行った
優太がどんな気持ちで
その手紙を書いたんだろう?と考えるだけで
胸が苦しくなったー・・・
「・・・・・。」
紗智は優太からの手紙を見て
手紙を握りしめる手に力が入った
「よしっ。」
紗智は勇気を出してノックをした
コンコン・・・!
紗智が緊張した表情でノックするが
洸の声がしなかった
「あれ・・・?」
紗智は思い切ってドアを開けた
ガラッ・・・!
「洸・・・?」
紗智が部屋の中を見ると
「・・・・・。」
洸はベットで横になっていた
どうやら洸は寝ているようだ
紗智は洸を起こさないように
ベットの前にあったイスに座った
「・・・・・。」
紗智はずっと握りしめていた
優太からの手紙を見る事にしたー・・・
ピンク色に折り紙を四つ折りにして
その表紙に
さちおねぇちゃん
と書いてある・・・
紗智は思わず笑顔になった
自分の名前が書いてあるだけで
こんなにも嬉しいなんて・・・
凄く幸せな気分だった
誰かに手紙を貰うなんて
いつぶりだろう?
懐かしい気がした
紗智が手紙を広げるとー・・・
一瞬にして表情が変わった
そこにはこう書いてあった
さちおねぇちゃん
こうおにいちゃんとなかよくね
二人のえがおが見たいな
大すきだよ
ゆうたより
紗智は優太の手紙を見て
涙が溢れたー・・・
「・・・・・・!」
優太は小さいながら気づいていたんだ
自分と洸の関係が気まずい事
二人の笑顔を見たい
それが優太の願いだった・・・
紗智は優太の気持ちが凄く嬉しかった
洸の笑顔が見たい
初めて出会った時みたいな
あの笑顔を見たかった
そして洸と過ごした
あの幸せな日々に戻りたいって思った
違う・・・
辛い日々も含めて全部を受け止めるから
洸の側に居たい
ただ、それだけでいいと思った
側に居たい
その気持ちはずっと変わっていないのに
願いでもあったんだー・・・
優太の願い
それは紗智と洸の笑顔が見たい
沙智は優太の気持ちを知り
自分の洸に対する気持ちを改めて気付き
色んな感情が
涙となって溢れてしまった・・・
紗智が泣いてる横で
寝ていると思っていた洸が起きていたー・・・
「・・・・・。」
洸は紗智が泣いてるのに気づいたが
何て声をかけたらいいか分からないでいた
本当は紗智を抱きしめてあげたかった
でも今の自分には
その資格がないと思ったからー・・・
洸は自分の気持ちを押し殺し
ただ寝たふりをして
紗智の泣き声を聞いてるだけだった
