「優太。」
「ママ。」
その頃、優太の病室に
仕事帰りにお見舞いに来た母親が入る
「優太、体調はどう?」
「大丈夫だよ!」
「そう、良かった。」
「・・・・・。」
優太は思い出していたー・・・
自分の病室を抜け出し
紗智たちの後を付いて行くと
四人の話声が聞こえた
いつも自分に優しくしてくれる
洸、紗智、実、葉月
いつも笑顔で接してくれた
けど初めて見た
怒ってる顔 泣いてる顔
少し怖かった・・・
そして自分のも悲しくなった・・・
大好きなお兄ちゃんやお姉ちゃんが
まるで知らない人に見えたー・・・
すると優太は優太の大好きな
リンゴの皮をむいている母に
「ねぇ?ママ。」
「何?」
「ママはさ僕が泣いてると
やっぱり悲しい?」
「悲しいに決まってるじゃない。
だってママは優太のママだから。」
「ママ・・・。」
「どうしたの急に?
何かあった?」
「僕ね大好きな人が居て・・・
それはパパやママ。
学校の友達や先生みーんな大好き。」
「うん。」
「でね・・・
紗智お姉ちゃんに洸お兄ちゃんに
実お兄ちゃんに葉月お姉ちゃん!」
「優太に凄く優しくしてくれて
凄く良いお姉さんとお兄さんよね。
優太はほんとに好きなんだね。」
「うん!だーいすき!
でも・・・。」
「でも?」
「さっき泣いてたの。
凄く怖い顔をして怒ってた。
僕ね凄く怖かったし悲しかった。」
「・・・そっか。
お姉さんもお兄さんも
色んな事があるんだよ。
みんな色んな事を乗り越えて
大きくなっていくんだよ。」
「・・・・・。」
「優太?」
「僕、紗智お姉ちゃん達に会えて
凄く嬉しかったんだ。
僕に優しくしてくれて遊んでくれて
色んな事を教えてくれたんだ。」
「うん・・・。」
「僕も紗智お姉ちゃん達に
何か出来る事ないかな?
元気になってもらいたい!
ママ!どうしたらいいかな・・・?」
「・・・・・。」
「僕みたいな子供じゃ
何も出来ないよね・・・。」
「そんな事ないよ。」
「え?」
「優太の気持ちをちゃんと
伝えるんだよ。
思ってる事をちゃんと
相手に伝えないと伝わらないんだよ。」
「気持ちを伝える?」
「そう。それはどんな方法でもいいの。
優太らしく伝える事が大事なんだよ。
分かる?」
「僕らしく・・・。うん!分かった!
ありがとう!ママ!」
「みんな元気になるといいね。」
「うん!」
優太は笑顔で言ったー・・・
優太の気持ちは
紗智達に届くのだろうかー・・・?
