clover*



「洸。何で話してくれなかったの?」

紗智が洸に聞いた

「何を?」

「だからバスケの事だよ!」

「紗智に話してどうするの?
紗智はショック受けるだけだろ?
さっき実から聞いてどう思った?」

「それは!」

「ほらね。」

「でもっ!
私は洸に頼ってもらいたかった。
何もしてあげられないかもしれないけど
洸が辛い時に側に居たかった。
私は洸を支えたいって言ったじゃん!」

「・・・・・。」

「何でいつも、そうやって一人で
何でも抱え込むの?
私や実や葉月に頼ればいいじゃん!
辛いなら辛い。苦しいなら苦しい。
泣きたいなら泣いてもいいんだよ?
怒りたいなら怒ればいいじゃん!
八つ当たりしたって構わない!
私達は洸の気持ちを受け止めるよ!
だって実と葉月にとって
洸は親友だし友達なんだよ?
私のとっては大切な彼氏なんだよ?」


「紗智・・・。」

「私は!洸の気持ちも分かるから。
大好きなバスケを諦めろって言われて
ショックだろうしどうしていいか
分からないのも分かるよ。
洸がバスケをどれだけ好きだったか
知ってるから。私も実も葉月も。」

「・・・・・。」

「けど分からない事がある。
何で洸と居たら私が傷つくの?
私そんな事、言ってないよね?
洸と別れたら私は幸せになれるの?
勝手に決め付けないで。
私は洸と居たいの。
この先どんな事があっても。
洸と居るのが私の幸せだと思うから。」

「・・・・・。」

「洸は私と別れたら幸せになれるの?」

「・・・・・。」

「答えてよ、洸。」

「・・・・・・。」


何も答えてくれない洸に紗智は

「・・・もういい。」

カバンを持ち病室を出たー・・・


紗智の目からは涙が溢れていた


病室を出る紗智を

止める事も声をかける事も出来なかった洸


そして病室を出た紗智は

溢れ出た涙が止まらず思った・・・



「別れたくない」

「好きだ」

「側に居てほしい」


こんな言葉が欲しかったわけじゃない


ただ病室を出る自分を


止めてほしかった・・・


それだけで良かったんだー・・・



「実!」

「・・・・・。」

「ちょっと待ってよ!実!」


葉月は実の腕を掴んだ


葉月に腕を掴まれ実が止まった


「実!洸に何であんな言い方したの?!
実の気持ちも分かるけど
洸の気持ちも考えなよ!!」

「お前、俺に説教がしたくて
付いて来たのかよ?!
だったら付いてくんなよっ!」

「そんなんじゃないよっ!!」

「!」

「私は実に説教したくて
追いかけたんじゃない!!
洸と紗智を病室に残して
実を追いかけた理由くらい分かってよ!」

「葉月・・・。」

「私はただ実が心配で追いかけたんだよ!
私は実が好きだからに決まってんじゃん!!
言わせんなっ!バカッ!!」


葉月はそう言うと

その場から走り去ってしまったー・・・


「おいっ!!葉月!!」

葉月の言葉を聞いて実は


「たくっ!
何やってんだよ俺は・・・!!」

手で髪の毛をクシャクシャにして

その場にしゃがみ込んだ


その後、三人が

洸の病室に戻る事はなかった・・・


洸は病室で一人、

何を思い何を考えていたんだろうか?


そして三人は


どんな思いで

どんな気持ちで家に帰ったのだろうか?



夏休みの登校日の時みたいに


気持ちがバラバラになってしまった


けど この時

四人がふと思い出していた

「あの時」の事が同じだったー・・・



それは洸と連絡取れなくなった


あの空白の「半年間」


また あの時みたいに


関係が壊れてしまうのだろうか?


四人はどうしていいか分からなかったー・・・