「何でリハビリ室に入ったんだ?
あそこは関係者以外立ち入り禁止だぞ。」
実の父は三人を注意した
「・・・・・。」
三人は黙ってしまった
「ほかの患者も居るのに
高校生だからって
それぐらい分かるだろ?!」
「そんなに怒んなよ!
こいつらは悪くないっ!!
俺が行こうって言ったんだから
俺のせいなんだよ!!」
「お前、前にも
リハビリ室に入ったそうだな。
それでも医者の息子か?
俺に恥をかかせて。お前はそれで
医者になれると思ってんのか?!」
「やめて下さい!
息子さんばかり責めないで下さい!
私達も悪いんですから!」
「葉月・・・。」
「・・・沙智ちゃん。
君にはガッカリだよ。
実ならまだしも君が勝手に入るなんて。」
「ごめんなさい・・・。」
紗智は頭を下げた
「紗智はただ洸が心配でー・・・!」
葉月が紗智をかばうと
「・・・洸君の気持ちを考えなさい。
君達が来て喜んでいたか?」
「・・・・・。」
「洸君は君達に自分が今どんな状況なのか
知られて凄くショックだったと思うんだ。
洸君は今、自分と戦っているんだ。
少しでも早く歩けるようになりたいって。
そんな洸君の気持ちを分かってやるのが
友達だろ?今はそっとしてやりなさい。
だから今日は帰りなさい。分かったね?」
「はい・・・・・。」
「じゃあ、気をつけて帰るように。」
「すみませんでした・・・。」
「・・・謝るのは私じゃない。
謝るなら洸君に謝りなさい。」
実の父はそう言うと
その場から離れてしまった
実の父の言葉が
すごく胸にグサッと深く刺さった気がした
今日の自分たちの行動が
洸を傷付けてしまったから
私達の行動は軽率で最低だった
「・・・・・。」
三人は病院を出た
「・・・洸、怒ってるよね。
当たり前だよね。
洸を傷付けちゃったんだし。」
葉月が言った
「・・・・・。」
実は父の言葉を聞いてから黙ったまま
すると紗智の目から涙が溢れた・・・
「紗智?!」
「!」
「・・・私、本当に最低だ。
洸の気持ち考えないで。
私、洸の彼女なのに・・・。
一番、洸の事、支えなきゃいけないのに。
洸を傷付けてばかり。」
「紗智・・・。」
「さっきリハビリ室の時の洸が
凄く違う人に見えた。怖かった。
あんな洸、初めて見た。
もちろん私達が悪いし
洸が怒るのは仕方ないって分かってる。
でも・・・。リハビリ室を出て
洸を見たら見向きもしなかった。
私、凄く洸との距離を感じた・・・。
私どうしたらいいか分からない。」
「・・・・・・。」
紗智の言葉に言葉を失う実と葉月
今まで
洸が苦しんでたはずなのに
何も知らないで気付かないでいた自分が
情けなくて悔しくて仕方なかった・・・
洸は自分が悩んでる時や苦しんでる時は
いつも洸が気づいてくれた
そしていつも洸が励ましてくれて
支えてくれたのにー・・・
洸のリハビリする姿、頑張る姿を見て
洸の態度で洸がどれだけ
悩んで苦しんでいるのか知ったー・・・
これが現実というのだろうか?
どうして?
どうして洸が苦しまなきゃいけないの?
どうして?
やっと幸せな気持ちになれたのに
やっと洸と幸せになれるって思ったのに
私は洸が好き
その気持ちは変わらないのに・・・
でも不安なのはどうしてだろう?
洸も私の事、好き?
信じていいんだよね?
私達、大丈夫だよねー・・・?
その日の夜ー・・・
「・・・・・。」
洸は公衆電話の前に居た
紗智に電話しようとしたが出来なかった
洸は紗智に何を伝えようとしたんだろうか?
