夏休みに入り一ヶ月。
夏休み最後の花火大会まで一週間前。
「夏休み、もうすぐ終わりだね!」
「そうだね。」
紗智と葉月が電話で会話している
「紗智、塾はどう?」
「うーん、他のみんなについていくのが
やっとって感じかな?葉月はバイトは?」
「私は短期アルバイトだから夏休みが終われば
バイトも終わるし!あっ花火大会の日は休みだよ♪」
「そっか!良かったー!」
「うん!ねぇー久しぶりだね。四人で会うの。」
「そうだね。」
「紗智、洸に会いたかったんじゃないの?」
「会いたいとか、そんな…。洸は部活で忙しくて
練習試合とか合宿とかあったみたいだし。」
「あー実も、そうだよね。」
紗智達四人はLINEでのやりとりで
たまに連絡取り合っていた
でも実際に四人で会うのは
テスト勉強の日から一度もなかったー。
だから花火大会で久しぶりに会う事になる
「そうだ!花火大会の日、浴衣着ない?」
「浴衣?」
「そうそう!花火大会の日に浴衣着た事ないし。」
「そうだけど…。浴衣なんて小学生以来だし
何だか恥ずかしいよ…。」
「何、言ってんの!来年は受験生だし
花火大会に行けないかもしれないんだから
今年、着なきゃ、いつ着るのよ!」
「けど……。」
「それに洸に浴衣姿、見せたくないの?」
「えっ?!」
「もしかしたら今年しかないかもよ?
一緒に花火大会に行けるの。来年は受験生だし。」
「そうかもね。」
「私も浴衣着るし大丈夫だって!
実と洸の二人を驚かせようよ!サプライズ♪笑」
「サプライズ?」
「そう!二人の驚く顔を見てみたいじゃん!笑
そーしようよ!紗智!」
「うん…。葉月がそこまで言うなら…分かった。」
紗智は葉月の勢いに押されてしまい、
渋々、浴衣を着る事になった
「じゃあー決まり!
そうだ!明日、浴衣を見に行かない?」
「えっ…浴衣、買うの?」
「当たり前じゃん!どうせ着るなら新しくて
可愛いやつ着ようよ♪それに駅前のお店で
浴衣の半額セールやってたよ!私達、高校生でも
買える値段じゃない?私、バイト代で買うし♪」
「確かに、買える値段だとは思うけど
お金…大丈夫かなぁ?」
「もし足りなかったら私、出してあげようか?」
「そんな!それは悪いよ!大丈夫!」
「そう?じゃあー明日、見に行こうよ♪」
「うん!」
紗智と葉月は明日、駅前で待ち合わせって事で
お互い電話を切った
「浴衣かぁ…。」
紗智は洸に浴衣姿を披露する事になって
花火大会に一緒に行くのも緊張していたのに
更に緊張が増していたー
3*花火大会
