「で?話って何?」
洸が実に聞いた
「え?ああー・・・。」
実の様子が少し変だった
「実?」
洸が実に声をかける
「え?あ、わりぃー。
ちょっとボーっとしてた。」
「お前、大丈夫か?
勉強、頑張るのは良いけど無理すんなよ。」
「違う。確かに勉強してるけど
無理はしてねぇーよ。ただ・・・。」
「ただ?」
「俺さ医大に行くって決めたけど
本当に行けるか不安なんだよ。
俺の成績で受かるかどうかわからねぇーし。」
「テストが近いって言うのに
受験の心配か?気が早すぎると思うけど。」
「悪かったなぁー。
俺は真剣に悩んでんだよ。」
「ごめんって。
でも実は頭良いじゃん。
実の成績なら行けるって
先生にも言われたんだろ?
だったら勉強しとけば平気だよ。」
「俺より、お前の方が頭良いだろ。」
「俺?」
「俺なんかより洸の方が
医者に向いてると思うけどなー。」
「何言ってんだよ。
お前は院長・・・親父さんの病院を
継ぎたいんだろ?」
「確かに、それはそうだけど・・・。」
「もしかして迷ってんのか?」
「・・・・ああ。少しな。」
「それはバスケの事か・・・?」
「・・・・・・ああ。」
洸は自分から実のバスケの事を聞いたのに
いざ実の口からバスケの事で悩んでると聞いて
少し動揺したー・・・
「実、体育大に行きたいの?」
「行きたいと言うか・・・
まだ少し諦めきれない自分が居てさ。
もちろん医大にも行きたい。」
実は医大に行くと決めたが
けど体育大へ行きたい気持ちを
諦めきれないでいた・・・
実には悩む事が出来る
実にはいろんな選択肢がある
そんな実が羨ましい洸
自分には選択肢がなかった
ずっとバスケ選手に憧れていた
でも事故に遭ってから
バスケをすることが出来なくなって
バスケ選手にはなれないと思った
でも新しい夢が出来た
それは体育の教師になる事
体育の授業をやったり
バスケ部の顧問になりたいと思った
自分にはバスケしかないって思ってたから
それなのにー・・・
その夢も諦めないといけないなんて・・・
「今は悩んでてもいいんじゃないか?」
「洸?」
「お前には時間がある。
悩んで悩んで時間をかけて
決めればいいじゃん。」
「・・・・・。」
「とにかく今はテスト頑張れよ。
テストの成績も進路に関係あるんだから。
成績落としたら医大と体育大どちらかで
悩んでる場合じゃなくなるぞ。」
「そうだよな。分かった。
とりあえずテストに集中するわ。
終わったら、ちゃんと決めるよ。
ありがとな。聞いてくれて。
洸に聞いてもらって
少し気持ちが楽になったよ。」
「そうか。良かった。」
「悪かったな。
リハビリで疲れてんのに。」
「別に。気にすんなよ。」
「じゃあー・・・俺、帰るわ。」
「おう、テスト頑張れよ。」
「ああ、お前もリハビリ頑張れよ。
テスト終わったら紗智と一緒に来るわ。」
「分かった。」
実は洸の病室を出た
「・・・・・。」
洸は思った
実も悩んでるんだなと
「てか、俺、人にアドバイスしてる場合じゃないよなー・・・。」
洸は退院してからの事を
どうしたらいいか分からなかった
