そして病院に着き
洸の病室のドアをノックした
コンコンッ・・・
「はい。」
洸が返事をした
そして紗智は病室のドアを開けた
「洸。」
「紗智ー・・・。」
「今、大丈夫?」
「え?うん。いいよ。」
洸は何だか様子が変だった
けど紗智は少しも気付かなかった
「どうした?」
洸が紗智に聞くと
「うん。あのね、私気になっちゃって。
文化祭の後、話してくれたでしょ?
検査の結果でリハビリ出来るかどうか。」
「ああ、その事ね・・・。」
「どうだった?」
「・・・来週からリハビリする事になった。」
「そうなんだっ!良かったねっ!」
「良かったって、まだ始めてないし
すぐに歩けるかどうかは・・・。」
「ごめん、そうだよね・・・。
リハビリってすごく大変なのに。
分かってたつもりなのに。
でも私、嬉しくて・・・。
洸の怪我が治ってきてるって事が
分かって嬉しくて、つい・・・。」
紗智が謝るとー・・・
「紗智。」
洸は紗智の頭を優しく撫でた
「謝らなくていいよ。ありがとう。」
洸は笑顔で言った
「洸ー・・・。
あっ!リハビリ無理しないでねっ?!
洸になんかあったら心配だからさ!」
「分かってる。大丈夫。
無理したくても出来ないよ。」
「そっか。私、応援してるからっ!」
「うん。」
「あのね・・・今日でしばらく洸に
会いに来れないんだ。」
「何で?」
「再来週テストがあるから
勉強しないといけないの。
私、受験生だし二学期の成績も進路に
影響するんだよね。
実も葉月も勉強で来られないみたい。
だから私も・・・。」
「そうだよね・・・。
紗智達は受験生だもんな。
今が一番大事な時期だもんな。」
「私ね、洸と居ると幸せ過ぎて
勉強に身が入らなくなっちゃうの。
勉強してても洸の事ばかり
考えちゃうと思うし。だからー・・・」
紗智の言葉を聞いた洸が
「紗智。」
洸は紗智を抱きしめた
「洸?!」
「ごめん。紗智が可愛い事言うから
つい抱きしめたくなっちゃった。」
「可愛い・・・?!」
「うん。凄く可愛い!
それに、しばらく会えなくなるんだから
ちょっと充電!」
「充電?」
「これでリハビリ頑張れる。」
「私も勉強頑張れるよ。」
「・・・・・。」
しばらくすると二人は離れた
「テスト終わったら来るから。」
「俺も、それまでリハビリ頑張って
少しでも歩けるようになる。」
「うん。無理しないで。
何かあったら電話していいからね?
少しくらいなら話せるし。」
「うん。分かった。」
「じゃあー・・・そろそろ行くね?」
「え、もう?」
「うん。これから塾なんだ。」
「そっか。なら仕方ないよな。」
洸が少し寂しそうな表情で言った
「じゃあー・・・私、行くね。」
紗智がそう言い立ち上がろうとした瞬間
「紗智。忘れ物。」
洸が紗智の腕を引っ張りながら言った
「え?忘れ物?」
すると洸は紗智にキスをしたー・・・
「洸?!」
「しばらく会えないんだから。充電。」
「洸-・・・・。」
「俺も頑張るから紗智も頑張れ。」
「うん。ありがとう。」
紗智は病室を出た
紗智は洸に元気をもらい
テスト頑張ろうっと思った
紗智は笑顔で塾へと向かったー・・・
そんな紗智とは逆に
洸は暗い表情だった
紗智に言えなかった
いや、絶対に言えない
紗智は今、大事な時期だ
なのに俺がバスケが出来ないって言ったら
紗智はきっと心配すると思う
これ以上、紗智に心配かけたくない
紗智には黙っていようー・・・
まずはリハビリを頑張るしかない
もしかしたらバスケだって
続けられるかも知れない
バスケが出来る丈夫な足にするんだ
俺の為にも 紗智の為にも
俺の夢を叶える為にもー・・・
洸は決心した
この事は誰にも言わないと
