病室では洸は実の父である院長から
渡された外出届の紙を見ていた・・・
するとー・・・
コンコンッ・・・!
「はいっ!」
洸は急いで外出届を枕の下に隠した
ガラッ!
病室のドアが開くと
「先生・・・。」
実の父である院長の姿があった
「ちょっといいかな?」
「はい・・・どうぞ。」
実の父が中へ入り洸の側へと向かった
「体、大丈夫?
車イスから転倒したって聞いて驚いたよ。」
「すみません・・・。ご迷惑かけて。」
「いやっ、私もちゃんと止めていれば
こんな事にはならなかった。
すまない。私の責任だ。」
「先生のせいじゃないですよ!
俺が悪いんで・・・。」
「・・・とにかく無事で良かった。
あんま無茶しないようにな。」
「はい。気を付けます。」
「さっき実達、帰ったよ。」
「そうですか・・・。」
「何で嘘ついたんだ?」
「え?」
「外出許可、取れたのに
取れなかったって言ったんだ?」
「何でそれを・・・。」
「すまない。君たちの会話を聞いたんだ。」
「そうですか。」
「洸君はそれで良いのか?
後悔しないのか?
あんだけ私に頼んでいたのに。
文化祭に行きたかったんじゃないのか?」
「行きたかったですよ。
でも今日の事で分かったんです。
俺ら実達の重荷になりたくないんです。」
「重荷?」
「はい。
これ以上、迷惑かけたくないんで。
許可取れなかったって言えば
分かってもらえるって思ったんです。
だから嘘をつきました。
すみません。せっかく許可してくれたのに。」
「患者の願いを聞くのも医者の仕事だ。
それに患者がどうしようと
患者が決める事だし私は何も言わないよ。」
「はい・・・。」
「医者として言わせてもらうと
今日の事もあったし
洸君の気持ちとか体の事を考えると
これでいいとも言える。」
「はい・・・。」
「でも一人の人間として言わせてもらうと
洸君には我慢してほしくないんだ。
君はまだ子供だ。
もっとワガママ言っていいし
人に甘えたっていいんだ。
家族や医者の私達もそうだけど
そして友達を頼っていいんだからね。」
「・・・・・。」
「それを実達が一番思ってる事だよ。
もっと自分の気持ちに正直になりなさい。」
「・・・・・。」
「これ。洸君に渡すね。」
洸に差し出したのは
外出許可書だったー・・・
「私のサインがあるから当日までに
提出すれば外出出来るから。
どうするかは洸君が決めなさい。」
「・・・・・。」
「あと実達が言ってた。
洸君の言う通り文化祭が終わるまで来ないって。」
「・・・・・。」
「文化祭、待ってるって。」
「!」
「・・・それと、もう一つ
洸君に報告したい事がある。」
「え・・・?」
文化祭まで、あと二週間ー・・・
紗智達は
洸に言われた通り
文化祭が終わるまで会いに行かなかった
三人は準備で毎日、忙しい時間を過ごしていた
その忙しさで救われていた気がした
洸を考えてしまうから-・・・
