clover*



それから一時間近くがたった・・・

三人は洸の病室で

洸の検査が終わるのを待っていた

「洸、大丈夫かな?」

「大丈夫に決まってるだろ・・・。」

「・・・・・。」


三人が不安を募らせていると


ガラッ・・・!

「!!」

病室のドアが開く音がした

三人がドアの方を見るとー・・・

「先生!!」

先生が立っていた

「先生!洸は無事なんですか?!」

実が聞くと

「ああ。大丈夫だ。
レントゲンを撮って診てみたら
骨にも脳にも異常はなかった。
体を強く打ったみたいだが
骨も折れてないし打撲や捻挫もなかった。
足にも異常はなかったよ。
しばらく安静にしてれば大丈夫だよ。」

「良かったー!」

「それで洸は?!」

ガラッ!

「洸!」

洸は看護婦に押され車イスに乗っていた

「・・・・・。」

洸は気まずそうに下を向いたままだった

「洸!!」

三人は洸の側に駆け寄った

洸は黙ったままだった


「じゃあ洸君。ベットに移るの手伝おうか?」

「大丈夫です。自分で出来ます。」

「分かった。無理しないように。
じゃあ安静にしてるんだよ?」

「はい・・・。」

「じゃあ俺はこれで。
後で院長が来ると思うから。」

そう言うと先生と看護婦は病室を出た

「ありがとうございました!」

三人はお礼を言って頭を下げた

「・・・・・。」

洸は車イスを動かしベットへと移動した


「洸、良かったな。何ともなくて。」

「私も安心したよー。」

実と葉月が洸に声をかける

洸の様子に紗智が気付いた・・・

「洸?どうした?」

紗智が洸に聞くと・・・

「今日はありがとう。
心配かけて迷惑かけて悪かった。
だけどー・・・悪いんだけど
もう帰ってくれない?」

「え?」

「洸?何言ってんだよ。
心配して待ってたのに帰れってなんだよっ!」

「ちょっと実、落ち着いて。」

「そうだよ。
洸だって安静にしなきゃいけないんだから。
今日はもう帰ろう?ね?」

「でもよ・・・。」

「じゃあー洸、私達帰るね?
また明日、来るから。」

紗智が言うと

「来なくていいよ。」

「え?」

洸の言葉に紗智が驚いた

「文化祭の準備で忙しいんだろ?」

「え・・・。」

洸の口から文化祭って言葉が出て

三人は動揺した


「そんな事ないよ?
確かに準備はあるけど
洸の会いに来る時間くらいあるし。」

「だから時間を無駄にしてまで
来なくていいから!」

「無駄って・・・。」

「洸!さっきから聞いてれば
何だよ、その態度!」

「実!」

「お前、俺に言ったよな?!
文化祭に行きたいって!
あれ嘘だったのかよ?!
俺らはお前に来てほしいって思ってんのに
何だよそれ。
親父が外出許可出来ないって言ったけど
俺は諦めてねぇーからな!
もう一度、親父に頼んで・・・」

「だから、もう無理なんだよっ!」

「え?」

「俺も昨日、先生・・・
実の親父さんに頼んだんだよ。
外出許可してほしいって。」

「俺の親父に?洸が?」

「ああ。今日の会議で
外出許可取れるかどうか
話し合ってみるって言ってくれたんだ。」

「そしたら?」

「・・・無理だった。
今の俺の体じゃ外出は無理だって言われた。」

「・・・・・。」

「分かっただろ?
俺はお前らの高校の文化祭にも行けないんだよ。
だから文化祭はお前らで楽しんで。
準備とか大変だろうから
とりあえず文化祭終わるまでは
来なくていいから。」


「そんなっ・・・。」

「・・・・・。」

三人は返す言葉がなかったー・・・


そんな三人に洸は

「気持ちは嬉しかった。
本当にありがとう。」

笑顔で言ったけど

その笑顔は誰が見ても作り笑顔だった


そんな洸の顔を三人は

見ていられなかったー・・・


そして病室の外では


四人の会話を聞いていた

実の父である

院長が聞いていたー・・・