「ねぇー今日は洸の所に行かないの?」
葉月が紗智に聞いた
「え?うん・・・。
実の話を聞いたらどんな顔をして
会ったらいいか分からないし。」
「だよね・・・。」
「それに文化祭の準備もあるし。」
「じゃあー今日は行くのやめて
明日、三人で会いに行かない?」
「三人で?」
「うん。文化祭の事は
とりあえず置いといてさ・・・。
気まずいまま会わなくなるの嫌じゃん?
洸だって気にしてると思うよ?
せっかく前みたいに仲良くなったのに
また関係が悪くなるの嫌だもん。」
「そうだね・・・。
それは私も嫌だな。」
「でしょ?三人で会いに行けば
大丈夫だよっ!
文化祭が無理でも
これから色んな事が出来るよっ!
紗智もそう思うでしょ?」
「うん!そうだねっ!」
「そうだよっ!」
紗智と葉月は笑顔で言った
どんな時でも明るく居なきゃ!
紗智はそう思っていたー・・・
「・・・・・。」
そんな二人を見ていた実は
どんな気持ちだったんだろうか?
その日の放課後は
文化祭準備で忙しかった・・・
そして次の日の午後の事だった
「洸君。」
洸の病室には実の父である
院長が来た
「先生。」
洸は緊張した表情になった
「今日の朝の会議で洸君の
外出許可の話をしたよ。
会議で話し合って結論が出た。」
「それで?どうなんですか?」
「外出許可なんだが・・・。」
「・・・・・。」
「紗智-!」
「何ー?」
「昨日言った事、覚えてる?」
「覚えてるよ。
今日、三人で洸の所に行くんでしょ?」
「そう!
私、洸に会うの久しぶりだからさー!」
「そっか・・・。」
「紗智どうしたの?」
「うん、ちょっと不安でさ。
洸に会うの緊張すると言うか・・・。」
「紗智・・・。大丈夫だよっ!
洸は紗智を傷付けような事はしないよ。
私や実が居るから大丈夫だよ!
紗智は紗智らしく接すればいいんだよ。」
「葉月・・・。」
「紗智は洸の彼女なんだから。
自信持って!」
「ありがとう。」
「じゃあー放課後、実連れて
三人で洸に会いに行こう!」
「うん。」
そして放課後ー・・・
「いいか、お前ら?
洸の前では文化祭の話すんなよ?!」
「分かってるよー!」
「・・・・・。」
三人は病院に着いていた
洸の病室へと向かう
その頃、洸は
「・・・・・。」
病室のすぐ廊下で車イスに乗っていた
洸の表情は何だか硬い表情だった・・・
洸がボーっとしたまま
車イスを動かしているとー・・・
「洸っ!危ないっ!!」
誰かの声で洸はハッとした表情で前を見ると
目の前には小さな子供が立っていた
「・・・!!」
洸は急いでハンドリムで
子供にぶつからないように向きをかけた
子供にはぶつからなかったが
車イスはバランスを崩した
車イスとともに洸も倒れてしまったー・・・
ガッシャーンッーー!!
「洸!!」
その場を目撃していた紗智、実、葉月
三人は急いで洸の側へと駆け寄った
「洸!大丈夫か?!」
実は洸に呼びかける
「洸!」
紗智も洸を心配した表情で声をかける
「大丈夫だった・・・?」
葉月は近くに居た子供に声をかけた
「うん・・・。」
子供はびっくりして泣いていたが
子供には怪我はなかった
「葉月!先生、呼んで来いっ!」
「うん!分かった!」
葉月は急いで先生を呼びに行った
「洸、病室に運んだ方が・・・!」
紗智が言うと
「バカ!もしかしたら頭を打ったかもしれない。
下手に動かしたら危ないだろ?!
先生が来るまで待つんだよ!」
「うん・・・。」
「いってぇー・・・!」
「洸!大丈夫か?!」
「洸!」
二人は洸に話しかけるが
洸は体のどこかを強く打ったか
痛みで表情がこわばっていた・・・
すると
「実!紗智!先生、来たよっ!」
葉月が先生を連れてきた
「実君!洸君に何があった?!」
「車イスごと転倒したみたいなんです!
体のどこかを打ったみたいで・・・。」
「もしかしたら頭を打ってるかもしれないから
このままレントゲンを撮る!
院長は今、手術中だから終わったらあとで来る。」
「はいっ!」
「先生っ!!」
看護婦二人がストレッチャーを持ってきた
「洸君をストレッチャーに乗せて!」
先生が看護婦に指示をした
「せーのっ!!」
先生と看護婦一人が洸の肩と足を持ち
ストレッチャーに乗せた
「レントゲン室に運んで!」
「はいっ!」
看護婦二人はレントゲン室へと急いだ
「洸っ!」
実が叫んだー・・・
「実君!!
君たちは病室に居て。」
「で、でもっ・・・!」
「いいから。先生に任せて。
洸君なら大丈夫だから。ね?」
「分かりました・・・。」
「検査が終わったら知らせるから。」
「はい・・・。」
「じゃあね。」
先生はそう言うとレントゲン室へと向かった
「・・・・・。」
三人は洸が心配でたまらなかった
