「外出許可、取れなかったの?」
「ああ。」
「・・・・・・。」
実は次の日
紗智と葉月に洸の外出許可が
取れなかった事を話した
「それに取れたとしても
洸が嫌がるなら仕方ねぇーだろ?」
「でも・・・。」
「・・・・・・。」
「俺、洸に聞いたんだ。
文化祭、参加しないかって。
この足じゃ無理だって言うんだ。
でもあいつは俺らに迷惑かけたくないって。
行きたいって言ってたけど。
気持ちは嬉しい、ありがとうって言われた。」
「・・・・・。」
「俺さ正直、後悔してる。
洸を余計、傷付けた気がして。
洸の心の傷を更に深くした気がして。」
「実・・・。」
「実、ごめんね。
実に辛い思いさせちゃって。
洸にも悪い事しちゃったね・・・。
私が余計な事、言ったから・・・。」
「紗智・・・。」
「お前のせいじゃないよ。
とにかく洸の外出許可は諦めるしかないな。」
「そんなっ・・・。
何か悔しいなっ。」
「・・・・・。」
三人は何も出来ない自分の無力さを痛感した
その頃、洸はー・・・
「え?外出?」
「はい。」
実の父である院長に外出許可を頼んでいた
「・・・文化祭に行きたいのか?」
「はい。」
「・・・それは出来ない。」
「どうしてですか?!」
「院長として君の担当医として
言わせてもらうが・・・
君の足はまだ動かせない状態だ。
君の骨折は重症とも言えるくらいの
怪我だったからな。」
「・・・・・。」
「病院に運ばれて来た時
君は意識不明の重体で
頭を強く打っていたし正直、危険な状態だった。
意識が戻ったのは事故から一ヶ月・・・。
奇跡に近いくらいだった。
君が入院して、もうすぐ一年が経つ。
君はそれだけ大変な怪我をしたんだ。
そんな君を完治してない足で
外出させるわけにはいかない。」
「分かってます。先生が言ってる事は。
俺の事を考えてくれてる事は感謝してます。
でもっ!俺は車イスでも良いんです!
実達に迷惑かけてしまうかもしれない。
けど俺、行きたいんです!
あいつらと一緒に過ごしたいんです!」
「洸君・・・。
君が嫌な思いするだけじゃないのか?
それでも行きたいのか?」
「はい・・・。
誰にどう見られても言われても
俺は気にしないです。
もう我慢なんかしたくない。
もう後悔したくないんです・・・!」
洸の強い気持ちを聞いた実の父は
「分かった・・・。」
「じゃあっ・・・!」
「まだ許可したわけじゃない。
明日、会議を開いて他の先生の意見を聞く。
いくら院長の私でも私一人で
決められない事だってあるんだ。
それに他の先生も君の事を心配してる。
もしも許可取れなくても納得してくれるか?」
「分かりました。
もし許可取れなかったら諦めます。
俺の気持ちを理解していただき
ありがとうございます!」
「患者の気持ちを聞くのも医者の仕事だ。
怪我を治すだけが医者じゃないんだよ。
それに君がここまで言うのは初めてだ。」
「実達のおかげなんです。」
「実の?」
「はい。実達の気持ちが嬉しかったから
実達は俺にとって大切な存在だから。
実達が俺の背中を押してくれたんです!」
「そっか・・・。
あんなバカ息子でも君に役に立てて嬉しいよ。」
「実はバカじゃないですよ。
あいつはスゲー良い奴です。
先生の後を継げるように医者になれるように
今、頑張ってると思います。
あいつの事、応援してあげて下さい。」
「・・・そっか。分かった・・・。
とにかく外出許可取れたかどうかは
会議が終わったら報告するよ。」
「分かりました。
よろしくお願いします。」
洸は深々と頭を下げた
「ああ。」
実の父は洸の病室を出た
「・・・・・。」
洸は緊張していたのか
息を吐いた
