高三の二学期になり
紗智と実と葉月は夏休みに
関係がギグシャクした
だが自分たちの本当の気持ちを
互いに伝えた事で
関係が元に戻った
そして洸を含めた四人の関係は
更に深くなっていたー・・・
二学期が始まり二週間が過ぎた
「紗智ー!」
「葉月。」
「今日も洸の所に行くの?」
「うん。」
「そっかー。
そう言えば、もうすぐだねー。」
「何が?」
「何って文化祭でしょー!」
「あっ、そうだねっ!」
紗智達の高校では九月の終わりに
イベントで文化祭がある
紗智達にとっては高校最後の文化祭である
「めちゃくちゃ楽しみだよねー!
私達にとったら最後の文化祭だしね。」
「うん。」
紗智と葉月は最後の文化祭を楽しみにしていた
「文化祭?」
「うん。」
その日の放課後、紗智は洸のお見舞いに行った
「へぇー文化祭かぁ。
紗智のクラスは何やるの?」
「・・・クレープ屋さん。」
「クレープ?!クラスで出来るの?」
「うん。学校にあるホットプレートを借りて
材料とかは女子で買っといて当日に作るの。」
「そうなんだ?紗智達が作るの?」
「うん。そうだよ。」
「え、大丈夫?ヤケドすんなよ?」
「うん・・・大丈夫だよ。」
紗智は洸の優しさにドキッとした
「で実とか男子は何すんの?」
「あー何か、焼きそば作るみたいだよ?」
「焼きそば?
いかにも男子が作りそうな料理だな。
簡単に作れるしな。」
「焼きそばを作ろうって提案したの
実なんだ。実、焼きそばが好きなの。」
「好きな食べ物を作るとか
実らしいねっ!」
「そうだね!」
二人は笑った
すると洸がー・・・
「俺も文化祭、参加したかったな。」
「え?洸・・・?」
「俺さ、高1の時の文化祭で
カップルでクラスを回ってるのを見て
何か良いなぁーって思ってさ。
俺の高校って男子校じゃん?
だから余計に憧れると言うか。
何か女の子みたいな事言ってるな俺。」
洸は照れくさそうに言った
すると紗智は
「私もっ!憧れるよ!
私も文化祭をカップルで回ってるのを見て
羨ましいって思ったよ!」
「紗智・・・。
俺さ去年の秋ぐらいに事故に遭って
文化祭に参加出来なかったんだ。
それがさ凄い悔しくてさ。
今年も参加出来なかったなー・・・。」
洸の切なそうに話す顔を見て
紗智は胸が苦しくなった
紗智の様子に洸が
「ごめんな。暗くなったりして。
文化祭、頑張って。」
明るく笑顔で言った
「うん。」
紗智も笑顔で返事したが
何て言っていいか分からなかった
